「ビジネスで一番大切なスキルは何だろう?もっと言えば人間として最も大切なスキルは何だろう?」
社会人になりたての頃、僕は悩んでいました。
ただ、会社の業務や、外部の方との会話をしていくうちに「会話の中で人を巻き込む力」こそが一番大切な力なのではないか、と考えるようになりました。
エンジニアリングができる、戦略が書ける、いいキャッチコピーがかける。
そういったスキルはもちろん素晴らしいいです。
ただし、人を巻き込んで使われる立場から抜け出すためには、それだけでは不十分なのです。
必要なスキルは、どのように話して人を巻き込んでいくか、語弊を恐れずに言うのであれば、「いかに自分の為に他人に働いてもらうか」です。
本書はそんなコミュニケーションの基礎を学べる一冊です。
① そもそもネタ6つは必要
② 「何か特別なことをされているんですか」というマジックフレーズ
③ 質問はすべて人に向ける
大切なこととして、雑談に必要なのは「Funny」ではなく「Interesting」です。
具体的には、お笑い芸人のような笑い話ではなく、相手が「それ気になるなぁ、教えてほしいなぁ」と思う話が必要です。
なぜなら、話し相手が自分との会話を思い出した際に、「Funny」で攻める人は「あの人面白かったな…」程度の印象は残らないからです。
それに対して「Interesting」で攻める人は、「○○を教えてくれた人」という印象ります。
次に何か仕事を依頼するときに、どちらに依頼しようと思うでしょうか?
本書では、明確に後者のコミュニケーションを推奨しています。
そうはいっても「Interesting」とは難しいモノです。
そこで、本書では下記のように、「Interestingの準備」をすることをお勧めしています。
✅古くなったエピソードは入れ替える
✅選ぶジャンルは相手の年齢や性別を選ばない幅広いもの
(ex,「スポーツ」、「医学」、「自分の本業にかかわる面白い話」「健康」「最近気になる商品」「面白かった映画や本」)
✅話す内容は相手にとって実利のあるものを選ぶ
✅情報ソースはyahoo!newsではなく、日経産業新聞、プレジデント、日経ビジネス、カンブリア宮殿、ガイアの夜明け、ためしてガッテンなど
✅一つは自分の得意分野を持つ(まずは自分の仕事に関する分野がおすすめ
「あなたの○○を見ていて、本当に尊敬しているのですが、何か特別なことをされているのですか?」
もしあなたがこのように聞かれたらどんな感情を抱くでしょうか?
その答えがこのパートでお伝えしたいことのすべてです。
自分が生活の中で頑張っていることを褒められて嫌な人はいません。
なので、もし話す相手の頑張っている部分に気がついたら是非「何か特別なことをされているのですか?」と聞いてみてください。
その質問により、相手に気持ちよくなってもらえることはもちろん、自分の勉強にもなります。
相手がとても素敵なブルーの時計をしていたとしましょう。
あなたはどのような質問をしますか?
「どこのブランドですか?」「いくらしたのですか?」「その時計は何年代のものですか?」、こういった質問をされるケースが多いと思います。
ただお気づきでしょうか?
この三つの質問はすべて、モノ(=時計)に向いています。
その為、返ってくる答えはきっとこうでしょう。
「アルマーニの時計です」「30万円です」「1960年のものです」。
この質問をされて相手は喜ぶでしょうか?
では、質問をこのよう変えてみてはいかがでしょうか?
「なぜ青にしたのですか?」「このプレゼントはいただいたものですか?」「いつ頃から買おうと計画されていたのですか?」。
これらの質問は、すべて、人に向いています。
返ってくる答えはきっとこうでしょう。
「青は落ち着くから好きなんです」「誕生日に妻からもらったのです。」「1年前から目をつけていたものでして」。
これからの回答には、広がりがあります。
それぞれ、「他にも青いモノはたくさん持たれているんですか?」「素敵な奥さんですね!ご結婚されて長いんですか?」「なぜその時計に目をつけられたのですか?」など話を広げていくと、相手の価値観やモノの裏側にある人間関係、ストーリーを知ることができます。
本書では、このように、ある程度返ってくる答えを想定して質問をすることを「質問に意図を持つ」と表現しています。
この「意図ある質問(人にむけた質問)」を繰り返すことで「質の高い雑談」ができる、とのことです。
いかがでしたでしょうか?
「コミュニケーション」に関する方が抱える方が多いと思います。
本書は基礎編として、コミュニケーションのいろはを教えてくれるので、入門編として是非読むべき一冊だと思います。
そして、この本を読むと、コミュニケーションの本質は、相手の立場に立って考えることに尽きると気づきます。
本ブログでは、こういったビジネス本を多く紹介しています。
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