メタ認知能力は10歳以下の子どもにとっても重要!7つの声掛けでメタ認知を育む

非認知能力
  • メタ認知能力とは?
  • 子どもにとってメタ認知能力はなんで重要?
  • メタ認知能力はいつから伸びる?
  • 子どものメタ認知能力を育むにはどうしたら?

本記事ではこのような疑問に答えます。

記事を書いている僕は、非認知能力に関する教育サービスの開発(3年)や、中高生の非認知能力を伸ばすキャリア・お金の教育(プロボノ)などをしています。

 

メタ認知能力は、自分の思考や感情を客観的に把握する力

結論からお伝えすると、メタ認知能力は、自分の感情・思考などを客観的に把握して言語化する力です。

少し難しいと思うので詳しく解説します。

メタ認知を、「メタ」と「認知」に分解して考えるとわかりやすいでしょう。

それぞれの意味は以下の通り。

  • メタ
    より高次の視点で」という意味。例えば、漫画の登場人物が作者や漫画の売上などについて発言することは”メタ発言”と呼ばれる。

  • 認知
    知覚、記憶、学習、言語、思考など 。要するに、自分が考えたり感じたりしたこと

上記の意味を考えていくと、メタ認知能力は、「もう一人の自分の(より高次の)視点から、自分が考えていることや感じていることを捉える力」だと言えます。

子どもの場合、よく泣いたり怒ったりしますが、メタ認知能力が高いと「なぜ自分が怒っている・泣いているか」を理解することが可能なのです。

 

高いメタ認知能力が、人間関係や勉強への姿勢を良好にする

続いて、なぜ子どもにとってメタ認知能力が重要か?という点について解説します。

こちらも結論からお伝えすると、日常の人間関係や学校での勉強をよりスムーズに行うことができるようになるからです。

日々の人間関係の場合、メタ認知能力が高いと、現在の自分の感情やなぜそのような感情になっているかを客観的に把握することができます。

そして、「いま自分は怒っている」ということに気付ければ、時にはそれを自制し相手に伝わらないようにコントロールすることが可能

*自制について、こちらの記事で詳しく解説しています
子供の自制心を鍛える5つの方法を紹介【今日から実践可能!】

学校での勉強の場合、例えば勉強がうまくいっていないようなケースでメタ認知能力が活きてきます。

思ったような点数が取れない場合でも、「なんでうまくいっていないんだろう?」「テストで実力を把握できなかった原因はなんだろう?」と自分の現状を客観視し、学習効率を改善することができるためです。

後者の勉強の事例について、データも含めて補足します。

やや対象年齢が上ですが、「親子パネル調査」(ベネッセ教育総合研究所,2019)では、高校2,3年生を対象に、勉強に取り組む姿勢などと成績の関係性を調べています。

その結果、成績が良い生徒は、そうでない生徒に比べてメタ認知を発揮している確率が高いことが明らかになりました。

具体的には、「何が分かっていないか確かめながら勉強するか?」などメタ認知に関連する質問に対して、「する」と回答した人が多かったそう。

さらに、元々成績が下位の生徒でも、メタ認知を取り入れた戦略を用いると、成績が中位もしくは上位に上昇する確率が高いことが明らかになりました。
*メタ認知的な戦略とは、先述のように「何が分かっていないか確かめながら勉強する」など

より広い視点でも、2013年にGutman&Schoonが、非認知能力に関するさまざまな研究を分析し、年収や幸福度にプラスの影響を与える非認知能力の一つとしてメタ認知能力(メタ認知ストラテジー)をピックアップしています。
*全部で3つの能力がピックアップされており、他2つは「内発的動機付け」と「自己効力感」

*関連記事へのリンク
内発的動機付けとは?子どものやる気は内側から引き出そう!【外発的動機付けとの違いも解説】
4つのポイントを意識して、子供の自己効力感を高めよう!【すぐ実践可能】

以上の研究や調査より、高いメタ認知能力は、人間関係、勉強、そして社会的成功にすらプラスの影響を与えることがわかるでしょう。

 

メタ認知能力の土台は幼少期に育まれる

本格的にメタ認知能力が発達するのは、児童期(= 小学校入学時期から11,12歳ころまで)。

ただし、「幼児期におけるメタ認知の発達と支援」(藤谷智子,2011)にまとめられている複数の研究をみてみると、幼児期にも、メタ認知の原初型と呼べる能力が育まれることが分かります。

このことから考えると、幼児期にメタ認知能力が伸びないことを過度に心配する必要はないけれど、メタ認知が育まれるような環境は整えておくべきだと言えるでしょう。

ここで言う「環境」とは、「もっとも近しい大人」、つまり「」です。
*環境について詳しくは、『私たちは子どもに何ができるのか』を参照

幼少期は、いかに親子の関わりの中で子どものメタ認知を促進することができるかが重要なのです。

 

子どものメタ認知能力を育む7つの声掛け

ここまでで、メタ認知能力の概念やその重要性についてご理解いただけたと思います。

すると、次に気になるには、「子どものメタ認知能力を育むにはどうしたらいいのか?」ということではないでしょうか?

本記事の最後に、そんな子どものメタ認知能力を育む方法について、声掛けの観点から合計7つ紹介します。

7つの声掛けは、藤谷智子氏がHartman(2001)、Larkin(2010)など先行研究を分析し、子どものメタ認知能力を育成するために有効と思われる声かけや態度をまとめた内容を、少し分かりやすく変換したものになります。
*「幼児期におけるメタ認知の発達と支援」(藤谷智子,2011)
*論文内では声掛けを9つにまとめていますが、分かりやすさのために似たような声掛けを束ねるなどし7つにしました

  1. 子どもの活動の目標や内容を考えさせる声掛け
  2. 別の視点や考えを提示する声掛け
  3. メタ認知を促す声掛け
  4. メタ認知を働かせたことを賞賛する声掛け
  5. 振り返りを促す声掛け
  6. 協調性を高めるためのメタ認知を促す声掛け
  7. 親御さん自身が日頃からメタ認知をし、それを伝える

以下で、例を交えながら詳しく説明します。

 

1,子どもの活動の目標や内容を考えさせる声掛け

子どもが何かに取り組んでいる際、その活動の目標や内容を立ち止まって考えられるような声がけをしてあげてください。

大人であれば何か活動をするときに自然と目標を立てたり、うまくいっていない時に振り返ったりしますが、子どもはまだそういった思考に慣れていません。

だからこそ、大人が「もう一人の(客観的な視点を持つ)自分」のような役割を果たし、子どもに未来のことを考えさせる必要があるのです。

声掛けの例

  • 「どんなことをしたい?」
  • 「どんなものを作りたい?」

 

2,別の視点や考えを提示する声掛け

振り返りですが、メタ認知は自分の思考などを客観視すること。

物事を客観視するためには、自分以外の考え方や意見を知ることが大切です。

自分が考えていなかったようなことを知ることで、「なるほど、そんな考え方もあるのか」と感じ、自分の意見についても再考するようになります(難しく言えば、思考の相対化)。

注意点として、他人を出す時に、「他人と比較されている」と感じさせないようにしてあげてください。

声掛けの例

  • 「◯◯って考えもあると思うんだけど、どうかな?」
  • 「お兄ちゃんは◯◯と言っていたね、それについてどう思う?」

 

3,メタ認知を促す声掛け

ストレートですが、メタ認知的な思考を働かせるような声掛けも有効。

人は(大人ですら)怠惰なので、自分自身や自分の意見について立ち止まって考えることをサボりがちです。

だからこそ、親御さんがメタ認知を促す声掛けをしてあげましょう。

声掛けの例

  • 「いま何をしているの?」
  • 「何に困っているの?」

 

4,メタ認知を働かせたことを賞賛する声掛け

3番目の声掛けの延長ですが、実際に子どもがメタ認知的な思考を働かせたらそれを賞賛してあげましょう。

ざっくりと「すごいね!」と褒めるのではなく、具体的に何が良いのかフィードバックしてあげることがポイント。

声掛けの例

  • 「いまの考え方はいいね!」
  • 「何に困っているかきちんとお母さんに伝えられてえらいね!」

 

5,振り返りを促す声掛け

メタ認知をするためには、自分の思考について振り返る必要があります。
(これを専門的には内省と呼びます)

その、振り返りのスイッチを親御さんが入れてあげるイメージ。

特に、活動が終わった直後に質問を投げかけると、ざっくりとでも頭の中で振り返るようになります。

声掛けの例

  • 「どんなところを工夫したのかな?」
  • 「途中で嫌になったって言ってたけど最後までがんばったね!どんなことを考えたの?」

 

6,協調性を高めるためのメタ認知を促す声掛け

メタ認知は人間関係においても発揮すべき能力です。

例えば、相手が自分の発言で嫌そうな顔をしていたら「あ、いま自分は何かまずいことを言ってしまったかな?」と振り返り、さらに「なんで自分はあんなことを言ってしまったんだろう?」と深く考えるなど。

声掛けの例

  • 「お兄ちゃんと◯◯くんは違う考えだね、どうしたらいいかな?」
  • 「どうやってお兄ちゃんと仲直りしたの?」

 

7,親御さん自身が日頃からメタ認知をし、それを伝える

非認知能力が高い親御さんの子どもは、非認知能力が高くなりやすいです。

具体的に、行動遺伝学の第一人者である安藤寿康教授が1万組の双生児ペアを対象に行った研究では、神経質・外向性・開拓性・同調性・勤勉性といった性格特性は30~50%が遺伝で説明できることが明らかになりました。
*ちなみに知能が70%以上、学力は50~60%が遺伝で説明できるそうです

遺伝の部分は今更どうしようもないですが、子どもが産まれたきた後でも、親が非認知能力を高め、そしてその非認知能力を子どもに対して発揮することは有効だと思われます。

*プロジェクトベースドラーニングという手法を用いて大人の非認知能力を伸ばす方法をこちらの記事で解説しています


具体的には、日々の思考過程を子どもに伝えるような取り組みをしてみてはいかがでしょうか?

詳しくは「シンキングアラウド法」という日常の作業の一つ一つの過程を声に出す方法がおすすめ。

シンキングアラウド法については詳しくはこちらの記事内で解説しています。

子供の自制心を鍛える5つの方法を紹介【今日から実践可能!】
「うちの子供、自制心がない?」「家庭で子供の自制心を育むにはどうしたら?」「自制心を育む習い事は?」本記事では、このような悩みや疑問を解決します。記事を書いている僕は、非認知能力に関する教育サービスの開発や中高生の非認知能力を伸ばすキャリア教育などをしています。

 

まとめ:7つの声掛けで子どものメタ認知能力を育てよう!

いかがだったでしょうか?

メタ認知能力について、その概念や重要性、そしてメタ認知能力を育む7つの声掛けについてご理解いただけたでしょうか?

今回は、実践しやすいように声掛けに絞り、7つのパターンを紹介してみました!

ぜひ、明日からお子さんとのコミュニケーションに活かしてください!

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