非認知能力に含まれる13個の能力を紹介!【自制心/メタ認知/GRITなど】

非認知能力
    • 非認知能力にはどんな能力が分類されるの?
    • どんな順番でそれぞれの能力を伸ばしたらいいの?
    • 複数の能力をまとめて伸ばす方法はないの?

本記事ではこのような疑問に答えます。

記事を書いている僕は、非認知能力に関する教育サービスの開発や、中高生の非認知能力を伸ばすキャリア・お金の教育などをしています。

 

13個の非認知能力を一覧で紹介

早速ですが、本題である非認知能力に該当する能力を、4つに分類して紹介していきます。

*そもそも「非認知能力って何?」という方はこちらの記事をご覧ください
子供の将来を左右する「非認知能力」とは何か?【脱・学力偏重】

具体的には、下記の4つの分類ごとに紹介します。

  • ① 基本的な要素
  • ② 自分と向き合う力
  • ③ 自分を高める力
  • ④ 他者とつながる力

*「自分と向き合う力」「自分を高める力」「他者とつながる力」は『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』で紹介されている概念

最初に結論として、本記事で紹介する非認知能力13個を一覧表にまとめました。

以降で各能力を取り上げ簡単に説明していきます。

 

①基礎的な要素

まずは、厳密には非認知能力ではないですが、非認知能力の土台となる重要な要素を紹介します。

 

アタッチメント(愛着)

アタッチメントは、人と人の間に生まれる感情的な繋がり

子供が、保護者の前で遠慮せず失敗や要求をできるのであればアタッチメントが形成されていると言えるでしょう。

なぜこのアタッチメントが重要かと言うと、その他の非認知能力の土台となる要素だからです

『私たちは子供に何ができるのか〜非認知能力を育み、格差に挑む』では、ミネソタ大学の研究が紹介されています。

1970年代にはじまった長期研究ですが、1歳時点で母親との間に安定したアタッチメントの形成が見られた子供は、その後の成長過程でポジティブな傾向が見られたそう。

具体的には、幼稚園では注意深く物事に集中し、ミドルスクールでは好奇心及びレジリエンスを発揮し、高校中退率も低かった、などです。

*アタッチメントについてはこちらの記事で詳しく解説しています
子どもとの間にアタッチメントを形成する方法を4ステップで解説【今日から使える!】

 

②自分と向き合う力

続いて紹介するのは、自信の感情を確認したり調整したりするための能力群

この群に属する能力が高いと、自分の中から生まれる感情や思考と上手く付き合っていくことができるようになります。

 

自制心

自制心は、喜怒哀楽といった感情の大きな起伏を抑える力です。

米デューク大で1,000人を対象に行われた実験では、自制心が高いと判定された子供は将来的な年収や社会的地位において良好な成績を収めることが確認されました。

一方で、自制心が低いと判定された子供はギャンブルなどにハマる確率が高かったとのこと。

*自制心についてはこちらの記事で詳しく解説しています
子供の自制心を鍛える5つの方法を紹介【今日から実践可能!】

 

実行機能

自制心に似た能力として「実行機能」というものが存在します。

実行機能は作業記憶、自己調整、自己認識などを含む神経系の基盤となる能力

実行機能が備わっていると、不慣れな状況を切り抜けたり、新しい情報を処理したりすることが得意になり、さらには後に紹介するGRITやレジリエンスの発達にも役立ちます。

『子どもの発達格差』では、アタッチメントと並んで最も大切な非認知能力として挙げられています。

 

ストレス管理能力

文字通り、自分が感じるストレスを上手く処理する能力

『私たちは子供に何ができるのか〜非認知能力を育み、格差に挑む』では、子供の成長を阻害する一番の要因はストレスだと言われています。

ストレスを排除する大人側の取り組みはもちろん重要なのですが、実際に子供が感じるストレスをゼロにすることは難しいですよね?

そのため、ストレス管理能力を磨き、子供自身がストレスと向き合えるようにしておく必要があるのです。

*ストレスに対処する力(ストレスコーピング)についてはこちらの記事で詳しく解説しています
ストレス発散より大切!子どものストレスコーピングを育む方法

 

レジリエンス(心/精神の回復力)

レジリエンスは、困難な状況に陥ったり失敗したりした時に気持ちを切り替えて本来の自分の状態に戻す力です。

心の回復力とも言われます。

例えば、長い間練習していたサッカーでスタメンから外されるようなケース。

そんな時にレジリエンスが高い子供は、「もういいや」と投げやりにならずに、「もっと練習したり練習の仕方を変えたりすればなんとかなる!」と考えます。

*レジリエンスについてはこちらの記事でより詳しく解説しています
レジリエンスの高い子どもに育てる4つの方法。心の回復力を育てよう!

 

メタ認知能力(メタ認知ストラテジー)

メタ認知能力は、自分の感情や思考を客観的に把握し言語化する力

例えばメタ認知能力が高いと、自分が怒っているときに「なんで怒っているか」を理解し言語化することが可能です。

より抽象的なレベルでは、メタ認知能力が高いと下記のようなポジティブな行動ができるようになります。

  • 自分の感情を把握しコミュニケーションを円滑に行う
  • 勉強が上手くいっていない原因を把握し学習効率を改善する

Gutman&Schoonのメタ分析(2013)では、年収や幸福度などにプラスの効果を与える非認知能力の一つとして挙げられています。
*他2つは内発的動機付けと自己効力感

 

③自分を高める力

続いて紹介するのは、「自分を高める力」。

「自分を高める力」は自分を変革・向上するための能力群です。

 

内発的動機付け

内発的動機付けは、外発的な要因ではなく自分自身の心の中からモチベーションを引き出す力

外発的な要因は、お菓子やお金などの報酬や、失敗したら怒られるなど外部からの働きかけを指します。

一方で内発的動機とは、対象の物事に対する強い興味など自分の感情が元となる動機

また、内発的動付けは「自律性」「有能感」「関係性」が満たされた状態でのみ維持されます。

  • 自律性
    管理や強制ではなく、自分で選び自分の意志でやっているという実感

  • 有能感
    やり遂げることはできるが簡単すぎない課題に取り組む際に生じる自信

  • 関係性(人とのつながり)
    他者から好感を持たれ、価値を認められ、尊重されているという感覚
    (『私たちは子供に何ができるのか〜非認知能力を育み、格差に挑む』より)

*内発的動機付けについてはこちらの記事で図解ありで詳しく解説しています

内発的動機付けとは?子どものやる気は内側から引き出そう!【外発的動機付けとの違いも解説】

 

自己肯定感

自己肯定感は、ありのままの自分を受け入れる感情

自己肯定感が高いと、物事の成功、失敗に関わらず自分を認められるようになります。

すると結果的に、物事に挑戦しやすくなり、人生全般の幸福度が上がっていくのです。

ベネッセが2017年に実施した調査では、自己肯定感が高い子供は自己肯定感が低い子供に比べて家庭学習を行う確率が10%程度高いことが明らかになったそう。

*自己肯定感についてはこちらの記事で詳しく解説しています
子供の自己肯定感が低くなる6つの原因と対策【エビデンスをベースに説明】

 

自己効力感

自己効力感は、目の前の課題をやり遂げられる!」という自分の能力に対する自信です。

例えば1ヶ月後に国語のテストがあると聞き、「自分なら80点以上を取れる」と信じられる子供は、国語に対する自己効力感が高いと言えるでしょう。

自己肯定感と似ていますが、自己肯定感は取り組む物事とは関係なくありのままを認める感情です。

一方、自己効力感は、取り組む物事によって自信の有無が変化します

国語に対する自己効力感は高いけれど、体育に対する自己効力感は低いなどがケースとしては考えられますね。

*自己効力感についてはこちらの記事で詳しく解説しています
4つのポイントを意識して、子供の自己効力感を高めよう!【すぐ実践可能】

 

GRIT(グリット)

GRITはペンシルベニア大学の心理学者アンジェラ・ダックワース教授がTEDや書籍を通して広めた能力。

具体的には、挫折をしても途中で投げ出すことなく工夫し最後までやり抜く力がGRITです。

アンジェラ教授はさまざまな分野で成功を納めた人を分析し、その共通点がGRITであると結論付けています。

*GRITについてはこちらの記事で詳しく解説しています
【GRIT】子供の「やり抜く力(グリット)」を伸ばす5つの方法

 

意欲・向上心・好奇心

新しいことに挑む気質である意欲・向上心、さらには物事に関心を持つ好奇心も非認知能力に含まれます。

これらの重要性は改めて説明するまでもないとは思いますが、何事にも好奇心を持ち、かつ意欲や向上心を持っている子供は様々なことに挑戦します。

そして、挑戦を通して認知能力やその他の非認知能力を高めたり、高めた能力を活用して様々な分野で活躍していくでしょう。

 

④他者とつながる力

最後に紹介するカテゴリーは「他者とつながる力」。

これまで紹介した「自分と向き合う力」「自分を高める力」が対自的な能力群であるのに対して、この「他者とつながる力」は対他的な能力群で、他者と協調・協働する際に求められます

 

共感性

共感性は、他人の表情や言動、そして置かれている状況などから、その人の感情、思考、意図などを想像し理解する力です。

『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』では、この共感性こそが「他者と繋がる力」の土台になると書かれています。

 

コミュニケーション力

言葉以外の表情やリズム・テンポ・抑揚なども意識しながら、他者との意思疎通を図るための力コミュニケーション力です。

*コミュニケーション力については様々な定義がありますが、上記は『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』で紹介されている定義

特にこれからの時代はグローバル化や仕事がプロジェクト単位で集まり解散する傾向などがあるため、出自や価値観が異なる「異質な他者」とのコミュニケーション力が重要になってくると言われています(立教大学 舘野泰一助教など)。

 

リーダーシップ

目標達成や充実した活動を実現するために集団を率いる力です。

リーダーシップそのものの価値はもちろん大きいですが、リーダーシップの有無は収入などにも関係することが明らかになっています。

例えばThe Journal of Labor Economicsでは、高校時代にリーダーシップを発揮した人はそうでない人と比べて、将来の収入が4%~33%ほど高いという研究が紹介されています。

 

非認知能力を伸ばす順番は「学習のための積み木」を参照しよう

さて、ここまで様々な非認知能力を紹介してきました。

数が多かったので、「結局何を優先して伸ばしていけばいいんだろう、、?」と思っている方も少なくないはず。

そこで、優先して伸ばすべき非認知能力について、「学習のための積み木」という概念を使いながら解説していきます。

 

「学習のための積み木」とは?

学習のための積み木」はニューヨークを拠点とする非営利団体ターンアラウンド・フォー・チルドレンが提唱した概念で、「子供の能力には伸ばす順番がある」ことを示唆しています。

実際に見ていただいた方が早いと思うので、以下に「学習のための積み木」を載せておきます。

画像をご覧いただくとご理解いただけると思いますが、各非認知能力が積み木のように積み上げられていますね。

積み上げられている順番が大切で、下に位置する能力(要素)から育んでいく必要があるのです。

反対に上の位置する能力はレベルが高く、子どもの発達過程の後半に伸びると言われています。

 

まずは、アタッチメント・ストレス管理能力・自制心

さて、最初の問いに戻りましょう。

「結局何を優先して伸ばしていけばいいんだろう、、?」という問いです。

答えは「学習のための積み木」の一番下に位置する能力(要素)である以下の3つ。

  • アタッチメント
  • ストレス管理能力
  • 自制心

子供がアタッチメントを感じられないと常にストレスに晒されたり、失敗することを恐れたりするため何かに対して好奇心を抱くことができません。

そして、子供の発達を妨げる一番の要因はストレスなので、大人がストレスの調整役を担うだけではなく子供がストレスをコントロールできる状態にする必要があるでしょう。

さらに、下記のように「自分と向き合う力」「自分を高める力」「他者とつながる力」それぞれに関係してくるのが自制心

  • 自分と向き合うには、様々な感情を制御する必要がある
  • 自分を高めるためには、その他の欲求(勉強をする必要があるからゲームは我慢など)に対して自制を働かせる必要がある
  • 他者とつながるには、時には自分の要望をグッと堪えて円滑にコミュニケーションを取る必要がある

 

注意点:「学習のための積み木」はあくまで”目安”

「学習のための積み木」を取り上げながら、非認知能力を伸ばす順番について解説してきました。

ただし注意していただきたいポイントが2つあります。

  1. 非認知能力は計測しにくい能力
  2. 能力は複合的に伸ばす

 

注意点1:非認知能力は計測しにくい能力

非認知能力はIQテストの点数などで明確に数値化できる認知能力とは異なります。

数値化する手段はあるのですが、家庭で都度子供の各非認知能力を計測することは難しいでしょう。

そのため、「国語のこの単元が終わったから次はこのページからね」など、認知能力の教育で用いられているような明確なステップ分けを行うことは難しいです。

だからこそ大切なことは、「学習のための積み木」を”目安”として捉えること、そして保護者が非認知能力の各スキルを理解すること

「この能力はある程度身についたな」と判断するのは、特に幼少期であれば保護者の役割。

そのため、保護者が各能力を理解していないとその判断することができません。

書籍やブログなどで非認知能力の各スキルやその伸ばす方について学んで行きましょう。

 

注意点2:能力は複合的に伸ばす

実は、「非認知能力の各スキルにはメリットもあればデメリットもある」と『非認知能力を育てるコツ』では紹介されています。

例えば、自制心。

自制心がある子供は、表情や態度に落ち着きがあります。

一方で、自分の感情をあまり表に出さない、ストレスを抱え込むなどのデメリットもあります。

だからこそ、「自制心を特化して伸ばそう!」ではなく「自制心とアタッチメントとストレス管理能力を一緒に伸ばそう」のように能力を複合的に伸ばしていく意識を持つと良いでしょう。

「一緒に伸ばす」基準としては、「学習のための積み木」の各階層を参考にすることをお勧めします。

例えば、最初は「アタッチメント/ストレス管理能力/自制心」、次に「自己認識/関係性を築くスキル/実行機能」などです。

 

複数の非認知能力をまとめて伸ばす2つの方法

非認知能力はどれか一つを特化して伸ばすのではなく、複合的に伸ばす」と書きました。

最後に、「能力を複合的に伸ばす2つの方法」を紹介します。

ただ実際には、「方法」というよりも「環境」と言った方が正確かもしれません。

『私たちは子どもに何ができるのか HELPING CHILDREN SUCCEED』では、非認知能力の育成について下記のように紹介されています。

「非認知能力は教えることのできるスキルである」と考えるよりも、「非認知能力は子供を取り巻く環境の産物である」と考えた方がより正確であり、有益でもある。

子供たちのやり抜く力やレジリエンスや自制心を高めたいと思うなら、最初に働きかけるべき場所は、子供自身ではない。環境なのである

いちばんの問題となる環境要因は、居住する建物ではなく、子供たちが経験する人間関係なのだ。つまり、周りの大人たちが、とくに子供たちがストレスを受けている時にどう対応するかである。

少し引用が長くなりましたが、まとめると以下の通り。

  • 子供の非認知能力を伸ばすためにまず働きかけるべきは子供を取り巻く”環境
  • 子供にとっての環境とは周囲の大人(保護者や学校の先生)
  • 子供がストレスを受けている時の対応が最も大切

上記の情報を踏まえて、子供にとって最適な環境をつくるために大切な意識(方法)を2つ紹介します。

  • ①子供のシグナルに敏感になり、リアクションする
  • ②大人自身のストレスを減らし、余裕を確保する

 

方法① 子供のシグナルに敏感になり、リアクションする

一つ目は、「子供のシグナルに対してリアクションをしよう」というアドバイス。

特に注意するべきは子供がストレスを感じやすい瞬間

具体的には以下2つの瞬間に子供はストレスを感じやすいです。

  1. 自分が発したシグナルが無視された時
  2. 失敗した時

 

子供がストレスを感じやすい瞬間1:シグナルが無視された時

「シグナル」とは具体的に、子供が日常的に発する言葉や表情など。

子供のシグナルとそれに対する対応例を挙げておきます。

  • 犬を見て「ワンワン」と言う ←「そうね、ワンワンね」と”繰り返す
  • 何かを見る ←「扇風機が見えたの?」など”対象を確認する
  • 泣き声をあげる ←「悲しいの?」など”感情や要望を確認する

とはいえ、「自分が子供のシグナルに上手く反応できているか不安」と思う方もいるでしょう。

そんな方には、「子供との時間を動画に納め、見返す癖をつける」ことがおすすめです。

動画を見返して、
・子供の表情など含めて何かしらのシグナルを見逃していないか?
・そのシグナルに対して自分がどのように反応していたか?
などを確認すると徐々に子供のシグナルを捉えるのが上手くなっていきます。

実際、オレゴン大学の心理学者フィル・フィッシャーが貧困家庭の保護者を対象に親子時間を撮影した動画を見せ、振り返りをさせる実験を行ったところ、子供が感じるストレスが低下したそうです。

 

子供がストレスを感じやすい瞬間2:失敗した瞬間

シカゴ学校研究協会によると、子供は失敗の瞬間にストレスを感じたり自身の能力について敏感になったりします

また失敗とは、日々の細やかな失敗を含みます。

例えば、子供がキッチンからコップを片手で運ぼうとして落としてしまった瞬間。

そんな瞬間に子供は「誰かから怒られるかも」と思いストレスを感じます。
(そして保護者が余裕がない状態だと強めの口調で怒られてよりストレスを感じます)

子供が失敗した時は、それを叱るのではなく、「失敗は一時的なつまづきに過ぎず、学んだり改善したりするための貴重なチャンス」というメッセージを伝えるべきなのです。
(『私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む』)

上記の例で言うと「なんで片手で持ったの?両手で持たないとこぼすって言ったでしょ!」と責めるのではなく、「一緒に拭こうか(失敗を一緒に受け止める)。なんでこぼれちゃったと思う?(「なんで?」と考えてもらう)」などと声を掛けてあげましょう。

 

方法② 大人自身のストレスを減らし、余裕を確保する

2つ目は、大人側の話。

子供がストレスを受けた瞬間の大人の対応が重要、と書きました。

ただ、保護者がイライラしている状態では、頭では分かっていてもつい口調が強くなったり責めたりしてしまうでしょう。

だからこそ、子供のストレスをケアするためにも、保護者が程よいストレス状態でいる必要があるのです。

少し研究的な話にも触れると、アメリカでは貧困層を対象に「ABCプログラム」という親のストレスを減らすプログラムが行われました。

特筆するべきは、親のストレス軽減は親のためだけではない、という点。

具体的には、「ABCプログラム」によって保護者のストレスが下がると、それと並行して子供のストレスレベルが改善し、自分の行動を制御できるようになっていったそうです。

大人のストレスマネジメントは、本人のためだけではなく子供のためにもなるのです。

 

保護者のストレスマネジメント方法【超簡単】

保護者がストレスマネジメントをする方法を簡単に紹介します。

シンプルですが、ストレスの原因になっている物事を紙に書き出し対応策を考える、というものです。

何も難しいことはないのですが、これを日常の習慣にできている保護者はごく僅か

具体的には下記のステップです。

  1. 【ストレス要因】ストレスの元になっている物事を書き出す
  2. 【原因の深堀】具体的にどんな瞬間にストレスを感じているのか書き出す
  3. 【対応策】ストレスを感じる原因を払拭する対策を考える

イメージしにくいかもしれませんが、例えば「洗濯」を例に取ると以下のようになります。

  1. 【ストレス要因】洗濯後に洋服を干す作業が億劫
  2. 【原因の深堀】家の中を何往復もして洋服を干している瞬間に特にストレスを感じる
  3. 【対応策】ドラム式洗濯機の購入をパートナーに相談する

上記のフォーマットを活用する時にはポイントが3つあります。

  1. ストレスの原因はなるべく具体的に書く
    「洗濯」ではなく「洋服を干す作業」など具体的な行動レベルまで分解して記載すると対応策を考えやすい

  2. 対応策は、思いつく限り書く
    対応策は複数挙げてから、金額、手間など現実性やその方法を採用した際の効果を鑑みて優先順位を決める

  3. 対応策は単語ではなく、具体的な行動レベルで書く
    「ドラム式洗濯機」ではなく、「ドラム式洗濯機の購入についてパートナーと相談」など行動をより細かく分解した方が動きやすい

上記のストレスマネジメント方法は紙とペン(スプレッドシートなどでもOK)があれば5分でできるので、是非試してみてください!

 

まとめ:アタッチメント、ストレス管理能力、自制心からはじめよう!

いかがでしたでしょうか?

最近よく耳にする「非認知能力」。

一口に非認知能力と言ってもその中には様々な能力が含まれていることをご理解いただけたでしょうか?

「学習のための積み木」についても紹介しましたが、「どの能力を伸ばしたらいいんだろう?」と悩んだら「アタッチメント」「ストレス管理能力」「自制心」の3つを伸ばすことを意識してみてください。

具体的な方法としては、子供のシグナルにきちんと反応すること、そして大人が心の余裕を持つために日頃からストレスマネジメントをしていくことは重要です。

 

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