非認知能力はモンテッソーリ教育で伸びる?【簡単な方法3つも紹介】

モンテッソーリ

 

・モンテッソーリ教育って何?
・モンテッソーリ教育と非認知能力って関係あるの?
・家庭では子供に対してどんなことをしたらいいの?

本記事ではこのような悩みや疑問を解決します。

記事を書いている僕は、非認知能力に関する教育サービスの開発を3年ほどしたり、プロボノとして中高生の非認知能力を伸ばすキャリア教育をしたりしています。

また本記事はこちらの本をベースに書いています。

モンテッソーリ教育は、「子供の内側」を大切にする教育

最初にモンテッソーリ教育の概要と重要性を説明します。

モンテッソーリ教育の基本的な情報

モンテッソーリ教育を開発したのは、科学者でもあり医師でもあったマリア・モンテッソーリです。

マリア・モンテッソーリは、自身が創設をした「子供の家」で様々な教育方法を試していたそうです。

その「子供の家」で行った教育をベースにして確立された教育方法が、モンテッソーリ教育です。

Italian educationist and founder of the Montessori Schools, Maria Montessori (1870 – 1952) and her nephew watching a girl working in a classroom in Acton, London, 1946. The pupil is engaged in a touch and co-ordination exercise, whereby she has to fit cylinders of various sizes into the correct holes while blindfolded. Original publication: Picture Post – 4244 – The Woman Who Made School Fun – pub. 2nd November 1946. (Photo by Kurt Hutton/Picture Post/Hulton Archive/Getty Images)

(gettyimages)

モンテッソーリ教育の思想・哲学

モンテッソーリ教育では基本的に、子供の発達の源泉は「子供自身」「子供の内側」にある、と考えます。

そのため、子供の自発的な行動や自己の内側からにじみ出る熱意や興味を軸にした活動を基本とします。

具体的には適切な「環境」と「教具」を用意し、五感をフル活用した感覚の訓練が重視される傾向にあります。

「教具」で遊ぶ子供(0-DAN)

なぜモンテッソーリ教育が重要なのか?

『モンテッソーリ教育を受けた子どもたち 幼児の経験と脳』(相良敦子 2009.)では、実際にモンテッソーリ教育を受けた子供の特徴を調査しています。

その調査結果を見ると、モンテッソーリ教育の重要性がよくわかると思います。

具体的には、1999年から2009年の10年間に渡って計1000人を対象にヒアリングや観察を続けたところ、モンテッソーリ教育を受けた子供には下記のような良い傾向が見られたそうです。

  • 生活のリズムを規則正しく実行する
  • 他人の立場を考え思いやる
  • 物事に対する解決方法を落ち着いて考える
  • 小学校高学年から自立が目立ってくる
  • やりたいことがはっきりしている

また実際にモンテッソーリ教育を受けた有名人のリストを見ても、その効果がよくわかると思います。

  • セルゲイ・ブリン/ラリーペイジ(Googleの共同創業者)
  • ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)
  • ピーター・ドラッガー(現代経営学の発明者)
  • トーマス・エジソン(発明家)
  • バラク・オバマ(アメリカ合衆国前大統領)
  • テイラー・スウィフト(歌手)
  • ジョージ・クルーニー(俳優)

モンテッソーリ教育で伸びるのは、非認知能力

モンテッソーリ教育についての基本情報を抑えられましたね!

では続いてモンテッソーリ教育と非認知能力の関係性について見てみましょう。

モンテッソーリ教育で伸びる5つの力

まず、モンテッソーリ教育でどんな力が伸びるのかみてみましょう。

『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』によると、モンテッソーリ教育では大きく分けて5つの力が伸びるそうです。

  1. よく考えて行動する力
  2. 他人を思いやれる力
  3. 何をすべきかを導き出せる力
  4. 深い集中力
  5. 信頼感と気落ちの落ち着き

モンテッソーリ教育で伸びる5つの力=非認知能力

さて、既に非認知能力の各個別スキルについて学習している方はピンと来たかもしれません。

そうです。「モンテッソーリ教育で伸びる5つの力」は、「非認知能力の各個別スキル(自己効力感、GRITなど)の特徴」と一致しているのです。

*子どもの自己効力感を高める方法はこちらの記事をご覧ください

「北海道文京大学紀要(第42号 2018年)」では、モンテッソーリ教育を受けた子供の特徴と非認知能力に含まれる各スキルの近似性が高いことに言及しています。

具体的には、「モンテッソーリ教育を受けた子供が獲得した能力」を明らかにする調査と『「学力」の経済学』という本で言及されている非認知能力の定義両方を取り上げ、それらの近似性が高い(とてもよく似ている)ことを明らかにしています。

少し難しいと思うので、「モンテッソーリ教育で伸びる5つの力」と「非認知能力の各個別スキル」を対応させた表を用意しました。

*「非認知能力の育成におけるモンテッソーリ教育の有効性」と『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』を参考に筆者が作成 

*それぞれのスキルについてはこちらの記事で解説しているので、合わせて読んでみてください。

家庭でできるモンテッソーリ教育3つを紹介【非認知能力を伸ばす】

ここまで聞いてモンテッソーリ教育に興味を持った方は多いのではないでしょうか?

ただモンテッソーリ教室などに通わせるとお金や手間が掛かって大変ですよね。

そんな方に向けて最後に、お家でできるモンテッソーリの具体的な方法を紹介します。

冒頭にも取り上げた『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』から抜粋して3つ紹介します。

上記の本には他にも74(!!)の方法が年齢や子供の興味に合わせて紹介されていますので、ぜひ読んでみてください。
基本的には家庭にあるものを教具と見立てるものが多いので、実践しやすいと思います。

では紹介します。

【にぎる・つかむ】ペットボトルでガラガラ

一つ目はペットボトルとカラーボールなど家にあるものを使いながら作れる教具の紹介です。

期待できる力や対象年齢、具体的な作り方などを以下にまとめています。

  • 期待したい力:それまでグーにしていた手のひらをパーに開いたりぎゅっと握ったりなど、ものをにぎる・つかむ動作を覚える
  • 対象年齢:生後3ヶ月ほど(やたらと何かを掴みたくなったら)
  • つくり方:ラベルを剥がしたペットボトルにカラフルなボールや音が出る鈴やビーズを入れ、キャップをテープで固定。
  • ワンポイントアドバイス:この時期はなんでも口に入れるのでキャップはきちんとテープで固定しましょう!

【触覚】秘密布

二つ目は、「秘密布」です。

こちらも身近にあるものを使って作れる教具です。

おうちモンテッソーリではまずは高価なものではなく家庭にあるものを組み合わせて教具を作ってみましょう。

  • 期待したい力:触覚の俊敏性や立体認識力
  • 対象年齢:3歳頃から
  • つくり方:身近にあるもの(おもちゃや文房具など)5-8個入れた巾着袋を2つ用意(それぞれの袋に入れるものは同じにする)。子供に2つの袋の中身を探らせ、触覚だけを頼りに同じものを探してもらう。
  • ワンポイントアドバイス:大きな段ボールにいろんな野菜を入れる、などでも可能です!

【表現力】インタビューごっこ

最後は親子のコミュニケーション時間も豊かにするものごっこ遊びです。

モンテッソーリ教育は決して机に座って言われたドリルのページをこなすようなものではないのです。

  • コミュニケーション力、表現力、思考力
  • 対象年齢:3歳頃から
  • つくり方:子供がインタビュアーになり、大人に対して「今日楽しかったことは?」「好きな料理は?」など質問をする。一通り終わったら親子で役割を交代する。
  • ワンポイントアドバイス:手作りや100円均一のおもちゃマイクがあるとさらに効果的!

また、ごっこ遊びは子どものコミュニケーション能力や自制心を伸ばします。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

モンテッソーリ教育と非認知能力の関係性、さらには具体的な実践方法を理解していただけたのではないでしょうか?

具体的な方法をご覧になって「簡単じゃん!」と思った方も多くいらっしゃると思います。

まさに感じた通りで、モンテッソーリ教育は、小難しい話を並べるだけの教育理論ではなく誰でも実践しやすい「大人にも優しい教育方法」なんです。

ぜひ、今日から実践してみてください!

また、モンテッソーリ教育を通して子供の非認知能力を伸ばしたい方には、冒頭でも紹介したこちらの本がおすすめです。

参考情報

・「教具」としてのSpueak eToyとその小学校算数教育への適用(稲垣、阿部、山崎、横河 2009)

・非認知能力の育成におけるモンテッソーリ教育の有効性(金丸 2018)

・『モンテッソーリ教育を受けた子どもたち 幼児の経験と脳』

 
 
 
 
 
 
 

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