子供の非認知能力が育つ習い事の基準は?3つの基準と具体的な習い事を紹介!

非認知能力

 

・子供の非認知能力を伸ばす習い事はどんな基準で選んだら良いだろうか?
・具体的にはどんな習い事がおすすめか?
・遊びや親との会話と習い事をどっちを優先するべきなんだろう?

本記事ではこのような悩みを解決します。

想定読者
・子供の非認知能力を伸ばしたいと考えている親御さん
・親御さんから習い事について相談を受ける立場にいる方々
 

子供の非認知能力を伸ばす習い事の選択基準3つを紹介

近年教育業界で注目されている「非認知能力」。
習い事を通して自身のお子さんの非認知能力を育てたいと考えている方は多いと思います。

まずは、そんな方のために非認知能力を伸ばすために意識するべき3つの基準を紹介します!

*非認知能力についてはこちらで詳しく解説しています。合わせて読んでいただけますと幸いです。

【基準①】その習い事に子供が熱意を示しているか?

最初の基準にして最も大切なことが「その習い事に対して子供が熱意を感じているか?」ということです。

非認知能力のうち、例えば「失敗から立ち直る力」は何かに挑戦をして挫折を味う中で身につきます。

この時に子供の熱意が大切になってきます。

なぜかというと、親が特別な施しをしなくとも子供が習い事に熱中していれば、失敗してもその習い事自体が面白いから子供が自発的に継続をするし、その経験の中で非認知能力が育つからです。

反対にパッションを感じていない習い事をいくら重ねても非認知能力を伸ばすという観点ではあまり効果はありません。

子供がその習い事に熱意を感じているか見極める4つのシグナルをまとめておくので参考にしてみてください。

「習い事に対して子供が熱意を感じているか」を見極める4つのシグナル

  1. 時間を忘れてその習い事に集中している
  2. 本人に「努力している」という自覚がない
  3. その習い事について自分からよく話す
  4. 親や先生に言われなくても自分からやる

どうやって「子供が熱意を感じる習い事」を見つけるのか?

ここまで読んでいただいて、「子供が熱意を感じる習い事を見つけてあげたい!」と感じる親御さんは多いのではないでしょうか?

そうなると気になるのが、「どうやって見つけるか?」ですよね

残念ですが、ここに関しての回答は「見つかるまで子供と一緒に探す」のみになります、、!

実際、『非認知能力の育て方』の著者であるボーク重子さんは、娘のスカイさんがバレエに出会うまで15個の習い事を経験させたそうです

親御さんにとっても大変なことですが、いざ子供が熱意を感じる習い事に出会えれば、非認知能力の一つである「内発的動機付け」が促進されるので、辛抱強く付き合ってあげましょう。

*内発的動機付けについてはこちらの記事で図解を入れながら詳しく解説しています

内発的動機付けとは?子どものやる気は内側から引き出そう!【外発的動機付けとの違いも解説】

 

【基準②】チームで行う習い事か?

2つ目の基準は「一人きりではなく他人と協力する習い事かどうか?」です。

『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』によると、非認知能力は下記の3つに分類することができます

  • 自分と向き合う力(自制心、レジリエンスなど)
  • 自分を高める力(自尊心、楽観性など)
  • 他者とつながる力(共感性、コミュニケーション力)

チームで行うことが前提、つまり他人との協力が必要な習い事では、そんな社会で生きていく上で必要な「他者と協調する力」を養うことができるのです。

例えばサッカーであれば、「手を使ってはいけない」「(チーム戦術的に)ドリブルだけではなくパスも出す」などの決め事がありますよね?

そういった決まり事の中で他者と協調し新しいことを考える経験は、コミュニケーション力などの育成につながります。

 

【基準③】家族の夕食の時間を確保できるか?

ハーバード大学医学部アン・フィシェル教授によると、親が子供と一緒にできる最も重要なことは「子供と一緒に夕食を食べること」だそうです。

なぜでしょうか?

複数の研究で、週5日以上家族で夕食をとることが下記のような良いことを引き起こすと報告されています。

“週5日以上” 家族で夕食を取る子供の傾向

  1. 将来、非行に走ったりうつ病になったりする確率が低い(ハーバード大学)
  2. ネットいじめから立ち直り易くなる(マギル大学)
  3. 他人を信頼し、人の役に立つ行動をするようになる(マギル大学)
  4. 語彙力が育ち、学業成績も良好になる(コロンビア大学)

『フランス人は10着しか服を持たない』で紹介されているように、「その日の食卓に並んでいる料理や食材の話」をしながら家族でご飯を食べることが実は習い事を詰め込むよりも大切なのです。

料理は「オーガニックである必要もコース料理である必要もない」とフィシェル教授は述べています。

 

具体的におすすめな習い事4つを紹介

ここからは具体的なおすすな習い事4つを紹介します。

ただし先述したように、「子供の熱意」「チーム」そして「家族での食事時間を奪わない」という原則を忘れないでください。

また習い事の選び方ですが、最初は親がおすすめしたり友達がやっているもので構いません。

人は経験を通して様々な選択肢を知りますが、子供は経験が少ないのでもちろん選択肢を知りません。

だからこそ、最初は親がやっていたこと、おすすめしたいことをやらせてみるのはアリです。

ただし嫌がるようならやめさせてあげることも忘れないで下さい

①サッカー、野球などのチームスポーツ

一定の決め事の元勝利を目指すチームスポーツは、子供の非認知能力と運動能力を同時に伸ばす習い事として最適です。

スポーツには必ず勝ち負けがあります。

そのため、負けた時に「次どうしたら良いか?」を考えるようになります。

その繰り返しで非認知能力の一つである「レジリエンス」も鍛えられます。

*レジリエンスについてはこちらの記事で詳しく解説しています
レジリエンスの高い子どもに育てる4つの方法。心の回復力を育てよう!

ちなみにスポーツは一つに特定する必要はありません。

むしろ複数のスポーツを経験することで様々な体の動きを身につけることができます

Health Education Journalの研究では、マルチスポーツは運動能力や自己効力感にプラスの影響を与えると示唆されています。

*子どもの自己効力感を高める方法はこちらの記事をご覧ください

 

②集団で行う自然体験

特に都会で暮らす子供は自然と触れ合う機会は中々ないと思います。

「カブトムシを探しながら森を歩く」「河原で水遊びをする」。

そういった体験は年1回の特別行事化してしまっているのではないでしょうか?

しかしスウェーデン大学の研究によると、自然との触れ合いが少ないと、大人になった際にネガティブな影響を持つ確率が高いそうです。

具体的には、外で泥だらけになって遊ぶことがないまま成長した人は、他者との関わり合いが非常に苦手で、相手を認めることをせず、争いばかり起こす大人が圧倒的に多かったそうです

 

③プログラミング

プログラミングは2つの理由からおすすめです。

プログラミングはチームで活動する

ロボットプログラミングなどでは「チームで仮説を作り→実際に手を動かし→失敗したら原因を考えて→再度実行する」プロセスを経験します。

そのようにチームで協力しながら試行錯誤をする経験を積み重ねることで、先述したように「他者と強調する力」が磨かれます。

クリティカルシンキングが身に付く

さらにプログラミングでは「クリティカルシンキング」を身につけることもできます。

クリティカルシンキングは、客観的・分析的に物事をみて問いを立てたり解決策を探る思考です。

クリティカルシンキングを鍛えておくことで、プログラミングだけではなく人生のあらゆる場面で自分の頭で考えて物事を解決する姿勢を発揮するようになります。

 

④英語

最後は英語です。

英語と言っても、缶詰的に英単語を覚えさせる様な英語学習ではありません。

そう言った教育は学校に入ると嫌でもすることになります。

ただし最初の英語体験がつまらないと、子供は英語が嫌いになってしまいます。

では幼少期には何をしておくべきか?

それが、「英語を使った遊び」です。

英語を使いながら体を動かしたり、ゲームをしながら英語を覚えられたりなどあくまで「エンタメとしての英語」がおすすめす。

今の時代は英語を話せることはもはや前提になっています。

さらに英語を話せると会話できる人の幅が広がります。

そうすると、「異質な他者」と呼ばれる「自分とは属性や価値観が異なる人」と話す機会も増えるので、必然的に非認知能力が鍛えられていくのです。

 

【注意】優先すべきは家族との時間や遊び

ここまで具体的な習い事を紹介してきました。

最後に習い事と家族との時間、そして遊びに関する重要なことを紹介して本記事を締めます。

早期の英才教育は効果が薄い!?

紹介した4つの習い事をひたすら詰め込めば子供の非認知能力は育つのでしょうか?

残念ながら、答えは”NO”です。

実は複数の研究で早期教育の影響は小学校1、2年生で消えると言う結果が出ているんです。

このように、「英才教育」的な文脈で行われる詰め込み型の習い事は大した意味はないのです。

むしろ大切なことは、「家族との時間」

では習い事を詰め込まない代わりに何をすればいいのか?

それは、「家族での時間を大切にすること」そして「遊ばせること」です。

家族での時間や家事の手伝いで非認知能力を育てる

先述した「家族で夕食を取ることの重要性(ハーバード大学)」の様に、大切なことは「家族の時間」です。

家庭の中で非認知能力を育てることをベースに、もし子供が興味を持つ習い事があったら体験させてあげる、と言うスタンスが良いのではないでしょうか?

また家庭の中で非認知能力を伸ばすなら、「家事の手伝い」をさせることがおすすめです。

実は、家事を手伝う子供は自己肯定感が高い傾向にあるのです。

国立青少年教育振興機構の調査(2016年度実施)によると、家事の手伝いをしている子供の約62%が自己肯定感が高い(高い・やや高いの合計)傾向にあったそうです。

反対に手伝いをあまりしない子供で自己肯定感が高かった(高い・やや高いの合計)のは約25%と低いです。

家事を手伝うことによって親から褒められたり、親がやっていたことが自分もできるようになっていく家庭で自己肯定感が育まれるのでしょう。

*子供の自己肯定感を高める方法はこちらの記事で詳しく解説しています

積極的に友達とも遊ばせよう

また特に幼少期は、難しいことを理解することができません。

ただそんな中でも子供の非認知能力を伸ばすことができるのが「遊び」です。

子供は遊んでいる間、親や保育士、友達などと協力しながらより楽しむためにはどうしたら良いか?ということを無意識的に考えています。

遊んでいるうちに自然と「他人と協調する力」や「創意工夫をする力」が磨かれているのです。

文部科学省の幼児運動指針をみても、遊びを通して下記のような力が磨かれることが記されています。

  • 体力・運動能力の向上
  • 健康的な体の育成
  • 意欲的な心の育成
  • 社会適応力の発達
  • 認知的能力の発達

子どもの非認知能力を鍛える6つの遊びについて、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

親子で一緒に過ごせる時間は人生全体でも9年しかないそうです。

さらに子供が子供がいてくれる期間もわずかですよね。

そんな子供時代は、いずれ学校でできるようになることの前借りに躍起になるのではなく、家族との時間をベースに、本当に子供が熱意を感じることができる習い事だけをやらせるのが良いのではないでしょうか?

本記事で紹介した習い事を選ぶ基準が、親御さん、そして何よりもお子さんの将来をポジティブにすることを願います。

 

参考情報

・『「非認知能力」の育て方』

・『自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』

・『HELPING CHILDREN 私たちは子どもに何ができるのか』

・『フランス人は10着しか服を持たない』

Benefits of multi-sports physical education in the elementary school context

Cyberbullying victimization and mental health in adolescents and the moderating role of family dinners

Family Dinner Meal Frequency and Adolescent Development: Relationships with Developmental Assets and High-Risk Behaviors

The most important thing you can do with your kids? Eat dinner with them.

子供の育ちをめぐる現状等に関するデータ集(文部科学省)

「成功の鍵はやり抜く力」(アンジェラ・リー・ダックワース TED TALK)

子どもの才能はその子の「パッション」に隠されている――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart3

「子どもの習い事に関する意識調査」結果(バンダイ)

「一緒に夕食を食べる」ことの凄いメリット(日経トレンディ)

マルチスポーツとは?子供の運動能力を高めるワケと事例を紹介(COACHING STATION)

「お手伝い」で子供の自己肯定感が高まる!? オススメの家事やグッズをご紹介します(こどもまなびラボ)

・文部科学省 [幼児期運動指針]

 
 

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