4つのポイントを意識して、子供の自己効力感を高めよう!【すぐ実践可能】

非認知能力

・うちの子、すぐ諦めちゃうけど何が原因?
・子どもの自己効力感の確認方法は?
・自己効力感と自己肯定感の違いは?
・子どもの自己効力感を伸ばす方法は?

本記事ではこのような疑問に回答します。

記事を書いている僕は、非認知能力に関する教育サービスの開発を3年ほどしたり、プロボノとして中高生の非認知能力を伸ばすキャリア教育をしたりしています。

子どもが諦める原因は、自己効力感にあり

  • 少し上手くいかなくなると辞めてしまう
  • 勉強で良い成績を取れず投げやりになる
  • 親から新しいことを提案しても無関心を装う

このように、お子さんに「諦め癖」が付いてしまっているかも、、とお悩みの方は多いのではないでしょうか?

その諦め癖の原因は「自己効力感」の低さにあるかもしれません。

まずは、そんな自己効力感と諦め癖の関係性を説明します。

 

自己効力感が低いと諦めがちになる

そもそも「自己効力感」とは何か?。

自己効力感は一言で説明すると、「特定の課題をやり遂げられるという、自分の能力に対しての自信」です。
  • 1ヶ月後に国語のテストがあると聞き、「80点以上を取れる」と感じる
  • 必死に取り組んだピアノで少し失敗したが、乗り越えて頑張り続ける
  • 親から提案されたテニスの練習に「やってみたい!」と乗り気になる

自己効力感が高い子どもは、課題を達成させるための自分の能力(学力、ピアノの腕、運動神経など)に自信を持つのです。

 

子どもが自信を持つメカニズム「結果予期」「効力予期」

特定の課題に対して子どもが自信を持つメカニズムをもう少し詳しく見ていきましょう。

自己効力感を提唱した心理学者アルバート・バンデューラは、自己効力感は2つの要素で構成されるとしています。

それが、「結果予期」と「効力予期」です。

少し難しいですが、それぞれ下記を意味します。

  • 結果予期
    課題に対して、過去の似た経験や知識から「自分ならできる!」と予測すること

  • 効力予期
    結果を出すまでに必要な行動・計画をうまく実行できる信じること

例えば国語のテストを1ヶ月後に控えていたとしましょう。

自己効力感が高い子どもは、結果予期:効力予期で下記のような感情を抱きます。

【自己効力感が高い子どもが自信を持つ流れ】

結果予期
過去に上手くいったテストなどを思い出し「自分なら良い点を取れそうだ」と考える

効力予期
良い点をとるための計画を立て、その計画に対して「自分ならその計画を実行できる!」と信じる。
そして、さまざまな誘惑や失敗を跳ね除けてテストに挑む。

これが、自己効力感が高い子どもが物事を諦めず、自信を持って取り組む理論的な説明です。

*結果予期、効力予期や自己効力感の3つのタイプについてはこちらの記事でより詳しく解説しています

自己効力感と自己肯定感の違いを解説!【自己肯定感はありのままの自分を受容する感情】
ありのままの自分を受け入れ肯定する感情である「自己肯定感」と、特定の課題を前にした際に自分ならそれをやり遂げられるという自信を表す「自己効力感」。本記事ではそんな「自己肯定感」「自己効力感」の違い、重要性、伸ばし方、計測方法を解説します。

 

自己肯定感はありのままの自分を受け入れる感情

自己効力感と似た言葉に「自己肯定感」がありますが、これらは異なる概念です。

自己効力感は自分の「能力」に対する自信ですが、自己肯定感は自分に能力があるか否かを問いません

自己肯定感が高い子どもは、
・自分に能力や才能の有無
・取り組む課題の種類
・取り組む課題に対しての成否
などに関係なく、自分を肯定します。

一方、自己効力感の高低は「取り組む課題・自身の能力、過去の成功体験」などに依存します

そのため自己効力感では下記のようなケースが考えられます。

  • 勉強に対しては自信がある(自己効力感が高い)けれど、運動になると途端に自信をなくす
  • 勉強に対する自信はあったがテストで連続して失敗し、徐々に自信を失う(自己効力感が低下)

繰り返しですが、自己効力感は取り組む課題と自身の能力に依存します。

そのため、まずは土台となる自己肯定感がお子さんに備わっているかを確認しましょう。

子どもの自己肯定感のチェック方法も含め、こちらの記事で詳しく解説しています。

子供の自己肯定感が低くなる6つの原因と対策【エビデンスをベースに説明】
「自分の子供の自己肯定感って高い?低い?」「子供の自己肯定感が低いのはなぜ?」「どうやったら子供の自己肯定感は高められるの?」本記事ではこのような疑問について回答します。表面的な原因ではなく、科学的な根拠に基づき6つの根本的な原因と対策を解説します。

 

自己効力感が高いと、学習・健康・スキル獲得で有利

自己効力感の定義や自己肯定感との違いについて説明しました。

ここで、「諦め癖を直す以外に、子どもの自己効力感を高めた方が良い理由はあるの?」という疑問を保たれている方もいらっしゃるかと思います。

そのため、3ポイントに絞って自己効力感の必要性を説明します。

①学習時間・学習意欲が向上し、学力が上がる

「小中学生の学びに関する調査報告書」(ベネッセ教育総合研究所、2015年)によると、自己効力感が高い子どもは学習時間が長く、かつ学習意欲も高い傾向にあるそう。

*上記の報告書では、「やる気になればなんでもできる」という項目を自己効力感と想定し分析している
*自己効力感が高い=上記の質問に対して「とてもあてはまる」「まああてはまる」と回答した層

かつ、小学校の成績上位者を詳しく見てみると、成績上位者の約9割は自己効力感が高かったのです。

  • 成績上位者で自己効力感が高い割合87.0%
  • 成績下位者で自己効力感が低い割合:74.2%

自己効力感が高い層の学力が上がる要因の一つは、学習時間です。

平日の家での勉強時間が1時間を超える割合は、以下の通りです。

平日の家での勉強時間が1時間を超える割合
  • 自己効力感が高いグループ:71.6%
  • 自己効力感が低いグループ:62.6%

*対象は小学生

平日の家の勉強時間が1時間を超える割合は、自己効力感が高いグループが約10%、自己効力感が低いグループよりも多かったのです。

 

②子どもの健康を維持することができる

子どもには健康でいて欲しい」、これは全親共通の想いですよね?

そんな子どもの健康のためにも、自己効力感を高めるアプローチが有効です。

Conner, M., ed (2005).は、子どもに限らず自己効力感は下記のような健康に関わる要素に影響を与えることを明らかにしました。

  • フィットネスの継続率
  • ダイエットの継続率
  • 歯科衛生
  • 喫煙率

Conner, M. and Norman, P. (2005) Predicting Health Behaviour: Research and Practice with Social Cognition Models. 2nd Edition, Open University Press, Maidenhead.

また、自己効力感は健康的な活動の継続だけではなく、不健康行動や習慣の中止にも関係することが報告されています(LuszczynskaとSchwarzer、2005)。

健康的な行動を続ける・不健康な行動を辞めるときには、ある程度の覚悟と覚悟の継続が必要ですよね?

自己効力感が高いと「自分ならその行動を続けることができる」と思えるので、継続率が高くなるのです。

 

③別の非認知能力を伸ばしやすくなる

自己効力感は「非認知能力」に分類されます。

非認知能力とは、「IQのように数値化はできないけれど、社会的成功を左右する”生きる力”の総称」です。

非認知能力に含まれる能力は広く、自己効力感以外にも下記のような能力が分類されます。

・メタ認知能力
・GRIT
・リーダーシップ

非認知能力についてはこちらの記事で詳しく説明しているので、ご覧ください。

【2024年版】子供の将来を左右する「非認知能力」について易しく解説(図解あり)
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自己効力感は、そんな非認知能力の根幹を成す要素です。

つまり、自己効力感が高いと他の非認知能力を獲得しやすくなるのです。

アメリカの団体ターンアラウンド・フォー・チルドレンは、幼少期の能力発達過程を積み木で表した「学習のための積み木」を提唱しました。

具体的にはこちらです。

「レジリエンス」「粘り強さ」「好奇心」など、より発展的な非認知能力を身につけるためには、まず自己効力感を含めたより基礎的な能力を獲得している必要があります

*「学習のための積み木」及び基礎的な要素である「自制心」についてはこちらの記事で解説しています

子供の自制心を鍛える5つの方法を紹介【今日から実践可能!】
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また、データで見ても自己効力感と他の非認知能力との関係性は明らかです。

例えばベネッセの調査では、自己効力感が高い子どものメタ認知能力もまた高かったのです

こちらのグラフをご覧ください。

自己効力感が高い子どもは、「何が分かっていないか確かめながら勉強する」など自身の学習状況や能力を客観視し分析する(メタ認知能力)要素傾向にありました。

自己効力感を高める必要性をまとめると下記3つです。

  1. 学習時間が伸び、学力が上がる
  2. 健康的な行動をとり、不健康な行動を取りにくくなる
  3. メタ認知能力など他の非認知能力を伸ばしやすくなる

 

子どもの自己効力感をチェックするテスト

自己効力感を高める重要性を書きましたが、「そもそも自分の子どもの自己効力感は高いのか?」が気になりますよね?

そこを明らかにするために、ご自身のお子さんの自己効力感をチェックできるツールを紹介します。

 

子どもの自己効力感をチェックする「一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)」

自己効力感を計測する方法として有名なのが、「一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)」です。

16個の質問に対して、「はい」「いいえ」を選び最終的なスコアで子どもの自己効力感の高低を判断するテストです。

例えば下記のような質問があります。

  • 友人より優れた能力がある
  • 人と比べると心配性な部分がある
  • 何かを決めるとき、迷わず決定するほうである

*「何か仕事をするときは、自信を持ってする方である」など一部社会人向けの質問があるので、「勉強」などお子さんの年齢に応じて表現を変えてあげてください

こちらのサイトで全ての問題を確認可能です。

自己効力感テスト(Alzhacker)

 

子どもの自己効力感を伸ばす4つの体験と具体的な方法

バンデューラは、自己肯定感を高める4つの体験(先行要因)の重要性を主張しています。

それぞれの体験と、その体験を子どもに提供する具体的な方法を紹介します。

*子どもの自己”肯定感”を高める方法を知りたい方はこちらの記事をご覧だくさい

子供の自己肯定感が低くなる6つの原因と対策【エビデンスをベースに説明】

先に、4つの体験とそれを子どもに届ける方法を対応させた図をご覧ください。

これが結論です。

以下で詳細を説明していきます。

 

1,達成体験:小さな成功を繰り返す

1つ目は、「達成体験」です。

具体的には、物事を成功させ、やり切ることを繰り返し自己効力感を高める体験です。

達成体験を子どもに提供する際のポイントは、小さな目標・小さな課題からはじめることです。

いきなりハードな課題を課し続けたり、物事の成否を求めすぎると子どもが萎縮し自己効力感が低下するので注意。

実際、母親・父親ともに厳格であると子どもの自己効力感が低くなることが報告されています。(「自己効力感の形成要因と将来展望との関係」宮嶋,榎本、2006)

家事の手伝い・可視化で「達成体験」を提供

達成体験を提供する具体的な方法は2つ。

1つ目は小さな課題を与えることです。

おすすめは、家事のお手伝い

「親が普段やっていることを自分もできるようになった!」という実感を持つことができれば、自己効力感が高まります。

また、家事中に子どもから離れず、むしろ一緒にいる時間が増え必然的に子供とのコミュニケーション頻度が上がります。

そうすると、先述した「学習のための積み木」で基礎要素として書かれている「アタッチメント」を形成することも可能です。

*アタッチメントについてはこちらの記事で詳しく解説しています
子どもとの間にアタッチメントを形成する方法を4ステップで解説【今日から使える!】

また、国立青少年教育振興機構の調査(2016年度実施)によると、家事の手伝いをしている子供はそうでない子どもに比べて自己肯定感も高い傾向にあるそう。

家事の手伝いは、自己効力感・自己肯定感を一緒に高めることができます。

どんな家事を手伝って貰えば良いかわからない方は、おつかいがおすすめです。

金融広報中央委員会によると、親が見守る中で子どもに買い物をしてもらうと数字に強くなったり、物事を比較する癖がつくそうです。

「毎週土曜日の夕食の材料は〇〇くん/ちゃんが買う」など家庭内ルールを決めておくとよさそうですね。

 

2つ目は子どもの成長を可視化することです。

具体的には、写真をとる一緒に日記を書くことがおすすめです。

ナカバヤシ株式会社と大阪教育大学が共同で行なった研究では、写真・アルバムと関わる経験が多いほど自己形成が上手く、結果的に自己効力感が高い傾向があることが報告されました。
*「子育てにおける写真及びアルバムの意義に関する実証的研究」(ナカバヤシ株式会社,大阪教育大学 2016)

笑顔、喜びなど自分のポジティブな表情などを写真で確認することで過去の達成体験を思い出し、自己効力感が高まるのでしょう。

アルバム作成により親の育児に対するポジティブな感情が高まることも報告されているので、親御さんにとってもおすすめの方法です。

また、会話の機会を確保しながら可視化をする方法としては、一緒に日記を書くこともおすすめです。

頭の中にある考えを文章として書き出す方法はジャーナリングとも言われ、メンタルケアの場面などでも用いられています。

▼子どもに達成体験を提供する方法

  • 小さな課題を与える
    特に家事(おつかい)がおすすめ

  • 子どもの成長を可視化
    アルバム作成、ジャーナリング

 

代理的体験:自分以外のモデルから成功のイメージを掴む

2つ目は「代理的体験」です。

代理的体験は、他人の成功体験を観察し、そこから成功のイメージを得るような体験です。

観察で特に注目するべきは、成功という”結果”だけではなく、成功に至るまでの挫折や工夫といった”過程”

特に子どもは複雑な思考が苦手なので、成功だけを見ても学習することは少ないです。

・どんな失敗があったのか?
・失敗をどう乗り越えたのか?
・継続するためにどんな工夫をしたのか?
など、道のりを知ることでそれを子どもが再現する確率が上がります。

親がモデルになり「代理的体験」を提供

「他人」の成功を観察と書きましたが、子どもにとって最も身近な存在は言うまでもなく、「」です。

つまり、親の成功とその過程を子どもに伝えることで代理的体験を提供することが有効なのです。

ただし注意点としては、「過去の親の成功体験」を伝えられても子どもはピンと来ません

モンテッソーリ教育では、過去に思いを馳せるために重要な”想像力”は児童期(6〜12歳)に時間をかけて育まれるとされています。

そのため、特に年齢が低い子どもの保護者は、「過去の武勇伝」ではなく、「現在進行形の挑戦」を背中と言葉で伝えるべきです。

要するに、親も自分のスキル以上のことに定期的に挑戦する必要があるのです。

親が何かハードなことに挑戦し、その挑戦のきっかけや失敗、失敗を乗り越えるための工夫などをリアルタイムで伝えてあげましょう。

『やり抜く力 GRIT 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』の著者であるアンジェラ・リー・ダックワース氏は、家庭で以下のようなルールを定めているそうです。

  • 家族全員(親も)ひとつは “ハードなこと” に挑戦する
  • “ハードなこと”は自分で選ぶ
  • 挑戦する“ハードなこと” は途中で変えてもいい
  • ただし高校生になったら、“ハードなこと”を2年間は続けなければならない

*GRITについてはこちらの記事で詳しく解説しています

【GRIT】子供の「やり抜く力(グリット)」を伸ばす5つの方法
「GRIT、やり抜く力って何?」「GRITはなんで大切?」「どうやったら子供のGRITを伸ばせる?」本記事ではこのような悩みや疑問を解決します。記事を書いている僕は、非認知能力に関する教育サービスの開発や中高生の非認知能力を伸ばすキャリア教育をしています。

親がハードなことに挑戦しモデルとなることが基本ですが、主人公が何かを成し遂げるような小説・伝記も代理的体験として有効です。

National Union of Teachersの研究では、読書は自信と自愛を高め、精神衛生を改善することが明らかになっています。

個人的なおすすめの一つは、1963年から読み継がれている不朽の名作『エルマーのぼうけん』シリーズです。

子どもに代理的体験を提供する方法

  • 親が自身の能力以上のことに挑戦し、それを背中と言葉で伝える

  • 主人公が何かを成し遂げる小説や伝記を読んでもらう

 

言語的説得:他人からの言葉で自己効力感を高める

3つ目は、「言語的説得」です。

言語的説得は他人の言葉で励まされる体験で、例えば下記のような言葉が該当します。

  • 成功を保証する言葉
    「あなたは成功するだけの努力をしている」

  • 成功するための方法
    「こうすれば成功することができる」

特に子どもは過去の成功体験が少ない分、なかなか成功のイメージを掴めないのです。

そんな時に成功への方法を考えさせたり、成功への過程を正しく進んでいると思わせてあげるのが親をはじめとした周囲の大人の声掛けでしょう。

「言語的説得」の3つのコツ

『「非認知能力」の育て方~心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育』などでも言われていますが、言語的説得を子どもにする際のポイントが3つあります。

  1. 「能力・才能・結果」ではなく、努力や継続・工夫などの「過程」を褒める
  2. 子どもが工夫・継続をその場ですぐに褒める
  3. 他の子どもではなく、その子どもの過去と比較し伸びた分を褒める

過程を褒めることの重要性を示唆した実験を紹介します。

心理学者のC.ミューラーとC.デュエックは子どもたちに簡単なテストを受けさせ、テスト結果に関わらず全ての子どもに「あなたは80点だった」と伝えました。

さらに同時に、子どもを下記の3つのグループに分けたのです。

  • A:能力を褒める -「80点取れたなんて頭が良いね!」
  • B:何も褒めない
  • C:努力を褒める – 「80点も取れたね!よく頑張っていたもんね!」

上記のフィードバックの後、2回目のテストの存在を知らせました。

かつ、ここが実験のポイントですが2回目のテストは以下2つから自由に選んでもらいました。
① 1回目と同じくらいの難易度のテスト
② 1回目よりも難易度が高いテスト

結果、能力を褒めたグループは35%しか難しいテストを選ばなかったのに対して、努力を褒められたグループは90%も難しいテストに挑戦したのです。

能力を褒められると、「同じような結果を出さないと褒められない、、!」と感じ今の能力で良い結果を出せる挑戦しかしなくなるのです。

一方で努力や工夫などを褒められると、工夫や努力、そして自信の能力以上の課題への挑戦といった過程を再現するため、どんどん努力し難しい課題に挑戦するようになっていくのです

褒め方一つでも、科学的根拠に基づく情報は大事ですよね。

子どもに言語的説得を提供する方法

  • 能力ではなく、努力を褒める
  • 後で、ではなくその場ですぐ褒める
  • 他の子どもとではなく、過去のその子ども自身と比べて褒める

 

生理的情緒的高揚:体と心を整え自信をつける

4つ目は、「生理的情緒的高揚」です。

バンデューラは、生理的情緒的高揚をアルコールや薬物などで身体的な高揚を創出すること、と定義しました。
(Albert, Bandura (1977). “Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change”. *Psychological Review* )

ただ、上記の定義では子どもに当てはめられない上、効果が一時的ですよね?(アルコールが切れたら元に戻るなど)

そこで、子どもにとって重要になってくるのが身体的・精神的な健康維持です。

特に、精神的な健康維持は身体的健康や、自己効力感に大きく影響します。

厚生労働省によると、ストレス過多な状態が続くと風邪などの感染症や心臓病などのリスクが上がるそうです。
(厚生労働省 ホームページ)

また「コロナ×こどもアンケート第4回調査 報告書」では、コロナ禍で子どものストレスが増していることが報告されています。
*小学校1-3年生は約5人に1人、小学校4-6年生では約3人に1人が「ここ1ヶ月で自分の心・気持ちのことで悩んだ/悩んでいる」と回答
*子ども自身ではなく保護者が子どもの様子を観察して回答する形式

コロナ禍で友達と遊べずストレスを抱えているお子さんは多いのではないでしょうか?

家の中に「自然」を置いてストレスマネジメント

12万部を突破した書籍、『最高の体調』ではストレス軽減には「自然体験」が有効だ書かれています。

自然体験とは、緑が多い公園での遊びや家族でのキャンプなどです。

少しだけ理論的な話に触れると、自然と触れ合うことで体をリラックスさせる副交感神経が活性化します。

ただし、コロナ禍で子どもを外に連れ出すのは難しい、という方も多いでしょう。

そんな方のために、『最高の体調』でおすすめされている「家の中に自然を再現する2つの方法」を紹介します。

1つ目が「デジタルの自然」です。

デジタルの自然とは、スマホやパソコンで自然を感じることができる映像や音を流すことです。

ややイメージしにくいかもしれませんが、例えば下記がデジタルの自然に該当します。

  • YouTubeで「自然」と検索して出てくる4K映像を家の中で流す
  • 世界中の自然の映像を流し続けてくれるデジタルミラーを設置する
  • オーディオ系デバイスで、家の中に川の音など自然音を流す

『最高の体調』では、上記のようなデジタルの自然でもリラックス効果を得られると書かれています。

特に手軽にできるのは、家の中に自然音を流すことでしょうか。

アレクサなどであればスマホを接続しなくてもamazon musicやspotifyなどから自然音を流せるのでおすすめです。

 

2つ目が観葉植物の設置

インテリアとして使われることが多い観葉植物ですが、自然によるリラックス効果も得られます。

可能であれば、リビングなど子どもの目に入る場所に設置するのが良いでしょう。

車を持っていない方は、ホームセンターから観葉植物を持ち帰るのが難しいと思うので、楽天やamazonでの購入がおすすめです。

詳しくはこちらの記事で解説していますが、ストレスマネジメントをすることで自己効力感だけではなく自己肯定感も高まります

子供の自己肯定感が低くなる6つの原因と対策【エビデンスをベースに説明】
「自分の子供の自己肯定感って高い?低い?」「子供の自己肯定感が低いのはなぜ?」「どうやったら子供の自己肯定感は高められるの?」本記事ではこのような疑問について回答します。表面的な原因ではなく、科学的な根拠に基づき6つの根本的な原因と対策を解説します。

子どものストレスマネジメントをする方法

  • 自然体験を提供する
  • デジタルの自然でリラックス
  • 子どもの目に見える範囲に観葉植物を設置

まとめ

いかがでしたでしょうか?

・子どもの諦め癖が自己効力感にある
・子どもの自己効力感をチェックする方法
・自己効力感と自己肯定感の違い
・子どもの自己効力感を伸ばす方法
をご理解いただけたでしょうか?

特に自己効力感を伸ばす方法は、なるべく実践しやすくかつ具体的に書いたので是非今日から実践してみてください。

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