・自己効力感と自己肯定感の違いって何?
・自己効力感と自己肯定感はどっちを先に高めるべき?
・自己効力感と自己肯定感を高める方法は?
・自己効力感と自己肯定感はどう計測すればいいの?
本記事ではこのような疑問について回答します。
記事を書いている僕は、非認知能力に関する教育サービスの開発を3年ほどしたり、プロボノとして中高生の非認知能力を伸ばすキャリア教育をしたりしています。
自己肯定感と自己効力感の違いは?
「自己肯定感」はありのままの自分を受け入れ肯定する感情を、「自己効力感」は特定の課題に対して自分ならやり遂げられるという自信をそれぞれ意味しています。
本パートではそれら2つの定義、詳細、さらには違いを説明します。
ありのままの自分を受け入れ肯定する、「自己肯定感」
「自己肯定感(self-esteem)」は、ありのままの自分を受け入れ肯定する感情です。
自分がどのような状態にあるかは関係なく、あらゆる自分を肯定することがポイントです。
有名人でなくても、何かに失敗して落ち込んでいても、そんな自分をそのまま受け入れ肯定する感情が自己肯定感なのです。
自己肯定感の重要性はデータを含め後述しますが、自己肯定感が高いと、何かに失敗しても「また次頑張ろう」「失敗した自分にも価値がある」と思うことができます。
こころの回復力とも言われている「レジリエンス」とも繋がってくる要素です。
*レジリエンスについてはこちらの記事で詳しく解説しています
レジリエンスの高い子どもに育てる4つの方法。心の回復力を育てよう!
*子供の自己肯定感を高める方法を知りたい方にはこちらの記事がおすすめです
子供の自己肯定感が低くなる6つの原因と対策【エビデンスをベースに説明】
データで見ると、日本人の自己肯定感は低い
日本人の自己肯定感が低いことは有名ですよね。
具体的に諸外国と比べてどの程度低いのか、データを見ていきましょう。
有名なデータとしては、国立青少年教育進行機構が行った「高校生の生活と意識に関する調査」(2015年)があります。
調査では、高校生に対して「自分はダメな人間だと思うことがあるか?」と聞いています。
その結果を諸外国と比較したグラフです(単位は%)。
日本では、「とてもそう思う」「まあそう思う」が72.5%で、韓国(35.2%)の2倍以上。
日本人の自己肯定感が低い理由は根深くここで深くは触れませんが、例えば公的な教育機関で画一的な成長が求められた結果個性が潰され自己肯定感が低くなるなどが挙げられます。
近年ではそんな画一的な教育への対応馬として「オルタナティブ教育」への注目が集まってきています。
*オルタナティブ教育についてはこちらの記事で詳しく解説しています
子供の選択肢を広げる「オルタナティブ教育」を徹底解説!【特徴・種類・費用】
特定の課題に対する自信=「自己効力感」
「自己肯定感」と似た言葉に「自己効力感」があります。
自己効力感は、特定の課題や挑戦を前にした時に「自分ならそれをやり遂げることができる」と信じる感覚です。
例えば、1ヶ月後にテストがあった時に自己効力感の高低は下記のような形で現れます。
- 自己効力感が高い場合:「自分なら100点を取ることができる」
- 自己効力感が低い場合:「勉強できないし低い点を取るかも」
自己効力感の重要性についても詳細は後述しますが、「行動に移せるか否か」「始めた行動を結果が出るまで継続できるか」を左右するため身につけることが推奨されています。
上記のテストの例で少し具体的に説明します。
テストに対して高い自己効力感を持っている人は、「自分なら100点を取ることができる」と信じて1ヶ月間勉強を続けるでしょう。
一方でテストに対して低い自己肯定感を持っている人は、そもそも「勉強をしても良い点数を取ることができない」「自分は計画を立てても勉強をサボる」ことを前提としています。
かつ、そのことを受け入れているので、1ヶ月間の勉強量には大きな差が生じるでしょう。
このように、特定の課題に対して「自分ならやり遂げられる」と信じる感覚が自己効力感です。
自己効力感の提唱者であるアルバート・バンデューラ
自己効力感を提唱したにのは、スタンフォード大学教授のアルバート・バンデューラ氏です。
自己効力感の提唱を志したきっかけは、恐怖症と向き合った経験だったそうです。
バンデューラ氏は、様々な恐怖症を克服者へのインタビューと、その後の継続的な研究により自己効力感の重要性を指摘しました。
自己肯定感が高ければ高いほど、取り組む課題に対して事前に困難を予測し、さらには実際に困難を経験しても諦めず挑戦し続け達成する確率が高いことを発見したのです。
自己効力感を構成する「結果予期」と「効力予期」
もう少し詳しく自己効力感について知っていきましょう。
自己効力感は分解すると、「結果予期」と「効力予期」に分けることができます。
結果予期は、過去の知識及び経験から、特定の課題に取り組んだ際の結果を予測することを指します。
例えば先述した1ヶ月先のテストの例。
自己効力感が高い人は、結果予期のフェーズで「1ヶ月後のテスト」という課題に対して過去の類似の記憶や経験(同じような領域のテストなど)から、「自分なら1ヶ月後のテストで100点を取ることができるだろう」と予測します。
これが結果予期です。
もう一つが、効力予期。
これは、特定の課題において結果(効力)を出すために必要な行動及び計画を自分ならうまく実行できると信じることを指します。
再び1ヶ月後のテストの例。
結果予期において「100点を取れる」と確信した上記の学習者は、おそらく勉強の計画を立てるでしょう。
そして計画を立てた後に、自己効力感が高いその学習者は、「よし、自分ならこの計画をやりきることができる」と確信します。
これが、効力予期です。
自己効力感と言うとざっくりしていますが、実は2つの要素から構成されていることを押さえておきましょう。
- 自己効力感の2つの構成要素
-
- 結果予期
これから挑む課題に対して過去の類似の経験や記憶から「自分ならそれを達成できる」と予測すること - 効力予期
結果を出すまでに必要な行動・計画をうまく実行できる信じること
- 結果予期
自己効力感には3つのタイプが存在する
さて、もう少し自己効力感の説明が続きます。
自己効力感の「構成要素」を説明しましたが、次は自己効力感の「タイプ」です。
具体的には3つのタイプがあり、人によって得意不得意が分かれることもあります。
1つ目は、「自己統制的自己効力感」です。
自己統制的自己効力感は最も想像しやすい自己効力感で、
・取り組む課題に対して「自分ならできる」という自信
・挫折から立ち直る心の強さ
を含んでいます。
「自己統制」という文字の通り、自己統制的自己効力感が高い人は、自分の感情や行動をコントロールできる傾向にあります。
例えば、「今月は10冊の本を読む」と決めた際に、NETFLIXや飲み会など他の誘惑に対して「NO」を突きつけられる人は自己統制的自己効力感が強いですね。
2つ目は、「社会的自己効力感」です。
社会的自己効力感は、他者と良い関係を築くために必要です(Wheeler and Laddが定義)。
先述した「結果予期」「効力予期」に分けて考えると理解しやすいです。
他人に対して攻撃的な態度を取りそうになったとします。
その際、結果予期において「そのような攻撃的な態度をとった後に何が起こるか?(相手が嫌な気分になる、など)」を想像し、効力予期において「その結果を踏まえた上で自分は攻撃的な態度を取れるか(とるべきか)」を判断します。
自制心にも似た能力ですね。
*自制心についてはこちらの記事で詳しく解説しています
子供の将来を左右する「自制心」の鍛え方を解説
3つ目は、「学業的自己効力感」です。
これは読んで時の通り学業場面において発揮される自己効力感で、主に学生を対象に語られることが多いです。
学業的自己効力感は、特定の勉強の継続だけではなく、授業中の積極的な発言などにも影響を与えます。
3つの自己効力感をまとめておきます。
- 自己統制的自己効力感
自身の行動をコントロールする基本的な自己効力感 - 社会的自己効力感
対人関係における自己効力感 - 学業的自己効力感
学校での学習などにおける自己効力感
*wikipediaの定義を参照し記載
3つの自己効力感について詳しく知りたい方は、バンデューラの書籍か「文脈依存性から見た学業自己効力感の因子構造の検討一学業自己効力感尺度作成の試み-」(大内、2008年)を読むことをおすすめします。
土台となる自己肯定感、課題ごとに異なる自己効力感
ここまでで自己肯定感及び自己効力感についてご理解いただけたでしょうか?
ただ
・「自己肯定感と自己効力感って結局何が違うの?」
・「どっちを優先的に高めればいいの?」
と思っている方もいらっしゃると思うので、整理します。
自己肯定感と自己効力感の違い
簡単にまとめると、以下の通りです。
- 自己肯定感
何かができてもできなくても、ありのままの自分を受け入れる感情 - 自己効力感
過去の(成功)体験を元に、特定の課題に対して「自分ならできる」と信じる感情
自己肯定感は、特定の課題や挑戦をやり遂げることができるか、もっと言うとそれに取り組むか否かに関係なく自分を受け入れる感情です。
テストや運動、恋愛などで良い結果を収めるか否か、収められるか否かは関係がないのです。
「健全な自己愛」とも近い概念ですね。
一方で自己効力感の高低は、取り組む課題によって変化します。
例えば、テストでは自信があり、かつ計画的に努力できるのに、体育の持久走になると1週間前から鬱気味になり何の対策もしない、などです。
まず高めるべきは、自己肯定感
では、自己肯定感と自己効力感、どちらを優先的に高めるべきでしょうか?
結論、自己肯定感です。
理由も、ここまでの説明で察している方もいるかと思いますが「自己肯定感は土台となる基礎的な要素だから」というものです。
自己効力感は、結果など「過去の成功経験」を必要とします。
もっと言えば、そういった成功体験がない分野については自信を持てない可能性が高いのです。
一方で自己肯定感が高ければ、そんな自分を受け入れることができます。
・挑戦を前に尻込みしている自分
・挑戦をしている途中で挫折をした自分
そんな「成功イメージから離れた自分」を受け入れて改めて挑戦する勇気を出す、自己肯定感が高い人にはそのような特徴があるのです。
反対に自己効力感が高いけれど自己肯定感が低いパターンをイメージしてみましょう。
例えば、自己肯定感が低いけれど運動に対する自己効力感は高い人がいたとしましょう。
その人は長い間、運動面で成功し続けていましたが、失敗が連続すると自己効力感が下がってしまいます。
少しイメージできたでしょうか?
家と土地で例えると、土台となる土地が自己肯定感、その上に立つ建物が自己効力感のようなイメージです。
地盤が緩いと、いくら頑丈な鉄筋コンクリートの家を立てても不安定ですよね。
自己肯定感・自己効力感を高める方法を科学的に解説
自己肯定感・自己効力感それぞれの定義や違い、優先順位を説明してきました。
次は、自己肯定感・自己効力感それぞれの必要性、及び両者を高めるための方法論をデータを用いながら紹介します。
自己肯定感が高いと学びが促進され、ストレスにも強くなる
自己肯定感が高いと物事の成否や挑戦するしないに関わらず自分を受け入れるられるようになる、ということは既に説明しました。
加えて、「学習時間」「ストレス対応」について説明します。
学習時間は、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で行った「子供の生活と学びに関する親子調査2017」を引用します。
調査では「自分の良いところが何かを言うことができる」という項目を自己肯定感とみなしています。
そして、上記の質問に「はい」と答えたグループと「いいえ」と答えたグループで学習に対する意欲・行動を比較すると、「はい」と答えたグループは以下のスコアが高いことがわかったのです。
- 勉強に対する意欲(高校生)
「勉強が好き」と答えた比率は、「はい」と答えたグループが43.0%、「いいえ」と答えたグループが29.7% - 学習時間(高校生)
「はい」と答えたグループの52.2%は家庭学習を行い、「いいえ」と答えたグループは41.8%が家庭学習を行う
ストレスについては、カーネギーメロン大学の研究を紹介します。
被験者は、難しい数学の問題に取り組みました。
そして数学の問題を解く直前に自己肯定感を高める活動を行ったグループと、行わなかったグループに分けました。
結果、問題の直前に自己効力感を高めたグループでは、報酬系(幸福感などを司る)に関連する脳の活動がアクティブに、反対に恐怖を感じる脳の分野の活動は減少していたそうです。
少し難しいですが、自己肯定感を高めると脳の特定の分野が活性化し、ストレスを押さえ込むことができる、ということです。
2つの調査及び研究をまとめると、自己肯定感を高めることで、学習意欲・時間が増加し、さらにはストレスへの対処も可能になるのです。
自己肯定感を高めるジャーナリング
課題に取り組む姿勢、学習意欲、ストレス対処などにポジティブな影響を及ぼす自己肯定感ですが、どのように高めれば良いのでしょうか?
自己肯定感を高める方法として有名なのが、「ジャーナリング」です。
ジャーナリングは、メンタルケア・マインドフルネス手法の一つで、頭に生んだことをそのままノートに書き出していく手法です。
例えば、「今日できたこと」など特定のお題を決めて短い時間で頭に思い浮かんだ言葉をそのままノートに書き連ねます。
自分の思考を振り返る機会は少ないと思いますが、自己研鑽だけではなくメンタル安定や自己肯定感を高めるためにも有効なのです。
さらにジャーナリングによって、自分のポジティブ・ネガティブ両面を書き出していくことで様々な自分を発見することができます。
これを専門的には「自己認識の強化」と言います。
*こちらの記事で自分の好きなことを始めるための9つの質問を紹介しています。
ジャーナリングは認知行動療法をはじめとする心理療法でも用いられており、Lepore & Smith(2002)、Pennebaker(1997)らによってその有効性が示されています。
例えばPennebaker(1997)は、ストレスフルな出来事を経験した人に対して20〜30分ジャーナリングを行うと、抑うつ症状減少、免疫系改善などの効果があることを確認しました。
具体的なジャーナリングの方法を知りたい方はこの2冊を読んでみてください。
自己効力感の高低は行動遂行と健康に影響する
続いて自己効力感について、その重要性を2つの研究から紹介します。
1つ目は2013年にGutman&Schoonが行ったメタ分析です。
Gutman&Schoonは、非認知能力について取り上げた研究や調査を複数集め、分析しました。
そして、「年収や幸福度など人生におけるポジティブな成果の鍵となる3つの能力」と発見しました。
具体的には、自己効力感を含む以下の3つです。
- 自己効力感
- 内発的動機付け
- メタ認知
Gutman&Schoonは、自己効力感が人生に及ぼす影響を具体的な行動レベルでは規定していませんが、自己効力感は主に「行動遂行確率」に影響します。
行動遂行確率というと難しいですが、特定の課題を達成するために計画を立て、それを最後までやり切れる確率です。
自己効力感が高ければ、「自分ならできる」と信じて計画を実行に移し、困難にぶつかっても「自分なら乗り越えることができる」と考えて最後までやりきるでしょう。
*非認知能力についてはこちらの記事で詳しく解説しています
子供の将来を左右する「非認知能力」とは何か?【脱・学力偏重】
2つ目は、自己効力感と健康の関係性について分析したConner, M., ed (2005)の研究です。
Connerは自己肯定感の高い人と低い人を分析し、自己効力感が高いほど不安・恐怖・恐れといったマイナス感情が抑制され、心拍数が安定することを明らかにしました。
この結果は自己肯定感と似ていますね。
またそれだけではなく、自己効力感が高いと下記のような健康を左右する指標で良好な成績を収めることも発見しました。
・運動やダイエットの継続率、成功率
・定期検診に通う頻度
自己効力感は、人のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高めるのです。
自己効力感を高める4つの体験
自己効力感を高める方法は、自己肯定感を高める方法に比べて体系的に整理され語られることが多いです。
本記事では、具体的に自己肯定感を高める4つの体験をピックアップして紹介します。
*子どもの自己効力感を伸ばす方法についてはこちらの記事で解説しています
本人が成功体験を積み上げる「達成体験」
自己肯定感を高める1つ目の体験は、何かの課題を達成した、成功させた体験です。
専門的には、「達成体験」と呼びます。
達成体験は厳密には、「未来の達成体験」と「過去の達成体験」に分類されます。
未来の達成体験は言葉の通り、今後の成功体験の積み重ねです。
ポイントは、簡単な課題から始めることです。 いきなりハードすぎる課題を課して失敗が続くと自己効力感を下げてしまいます。
徐々にレベルをあげていきましょう。
一方で過去の達成体験は、自分が覚えていない・気づいていない自分自身の過去の成功体験を認知するものです。
自己肯定感のパートでジャーナリングを紹介しましたが、過去の達成体験を認知する面でもジャーナリングは有効です。
「過去にあった良かったことは?」というお題でジャーナリングを行ってみましょう。
他人の成功体験を観察する「代理的体験」
実は他人の成功体験を観察することでも自己効力感を高めることができます。
それが「代理体験」です。
他人の体験を観察する際のポイントは、結果ではなく成功までの過程を具体的に知ることです。
過程を詳しく知り、「自分ならこうする」と考えることで自分と関係なかった体験を学びに変換できます。
また、何かを達成する内容の小説や伝記を読むことも代理的体験になります。
自分が感情移入することができる小説や、自分が好きな著名人の成功体験が書かれた伝記を探してみましょう。
6分間の読書で約6割のストレスが軽減するという研究もあるので、ストレスマネジメントの意味でも小説や伝記はおすすめです。
個人的なおすすめはこちらです。
ちなみに子供の場合は、夕食の時間に親の過去の成功及び失敗体験を話してあげることで代理的体験を得ることができます。
励ましの言葉による「言語的説得」
3つ目は「言語的説得」です。
具体的には、
・「こうすれば成功することができる」
・「あなたは成功するだけの努力をしている」
など他人の言葉に励まされる(もしくは他人を言葉で励ます)体験です。
他人に対して言語的説得を行う時のポイントは3つです。
- 能力や才能ではなく、努力や継続、工夫などの過程を励ます
- 励ました人が成功を収めたら一緒に喜んであげる
- 他人とではなく、過去のその人自身と比較し伸びた分を褒める
また、日常的に他人から掛けられるなんでもないような言葉を前向きな言葉に変換して自分のモチベーションをあげる「ポジティブ変換」もおすすめです。
どのような言葉に変換すれば良いかわからない方は『言い換え図鑑』を読んでみてください。
体調を整えることによる「生理的情緒的高揚」
最後は「生理的情緒的高揚」です。
自分自身の生理的な状態を一定に保ち、それを意識することにより自己効力感を高めるような体験です。
血圧・心臓の鼓動などを一定に保つと良いと言われています。
具体的にはどうすれば良いか?
体調を一定に保つために必要なことは、ストレスマネジメントです。
厚生労働省のホームページには、ストレス過多は風邪などの感染症や心臓病などのリスクを上げると書かれています。
ここまで説明してきた、ジャーナリング、読書もストレス対処として有効な手段ですし、より継続的な効果をもたらすにはストレスの原因になっている家事を機械化してやらなくていいようにすることも有効です。
RINNAIが実施した「「ストレス」に関する意識調査」(2018年)によると、家庭内ストレスの50%以上が家事によるものだそうです。
*「部屋が片付かない/汚い(29.2%)」も含む
かつ、特にストレスを感じる家事が「1位:部屋の片付け・整理(39.9%)」「2位:掃除(36.4%)」なので2万円以下で買うことができるコスパの良いお掃除ロボットはありだと思います。
AnkerのEufyシリーズだと一番安くて2万円以下で買えるのでおすすめです。
自己肯定感と自己効力感を計測しよう
自己肯定感と自己効力感は非認知能力なので、国語のテストやIQテストのように直接的に「何点です」と評価することは難しいです。
ただ、複数の質問に回答することによって間接的にご自身の自己肯定感と自己効力感を計測できる手法は存在するのでそれを紹介します。
自己肯定感を測定する「日本版RSES」
自己肯定感を計測する有名な手法としては、「日本版RSES」があります。
日本版RSESは自己肯定感をチェックする質問リストで、自己肯定感を計測する研究や調査などで頻繁に使用される手法です。
この手法では、10個の質問に対してそれぞれ4段階で回答をしていきます。
4段階というのは具体的に以下の通りです。
- 4:強くそう思う
- 3:そう思う
- 2:そう思わない
- 1:全くそう思わない
そして10の質問が以下の通りです。
「自己肯定感低いかも、、」と思っている方は是非一度客観的にご自身の自己肯定感を確認する目的でチャレンジしてみてください。
質問リストの後に評価基準も載せておきますね。
- 自分自身に満足している
- 時々、自分はダメだと思うことがある
- 自分には長所がある
- 自分は他の人と同じくらい物事をこなすことができる
- 自分には誇れるものがない
- 時々、自分は全然役に立たないと感じることがある
- 自分は他の人と同じくらい価値がある人間だ
- 自分をもう少し尊敬できたらいいと思う
- よく自分を落ちこぼれだと思う
- 自分自身のことを前向きに考えている
チェックリストの評価基準です。
- 自己肯定感が高い:30点以上(平均3以上)
- 自己肯定感が低い:20点以下(平均2以下)
- 健常な日本人の平均値:25点前後(平均2.5点以下)
自己効力感を測定する「一般性セルフ・エフィカシー尺度」
自己効力感を測定する有名な手段としては、「一般的セルフ・エフィカシー尺度(GSES)」が存在します。
こちらは上記したアルバート・バンデューラ博士が提唱した手法です。
質問数としては全16問で、「はい」か「いいえ」で答えていくシンプルな形式です。
ただし質問によって、「はい」で加点するのか「いいえ」で加点するのかが分かれておりそこがやや面倒ですが、テストとしては取り組みやすい方だと思います。
(10分あれば終わります)
16問全てをここに書くと文量が増えすぎてしまうため、一般的セルフ・エフィカシーテストを行うことができるサイトへのリンクを貼っておきます。
「自尊心」「自己有能感(自己有用感)」「自己受容感」
最後に、自己肯定感、自己効力感と似ている言葉を簡単に紹介しておきます。
- 自尊心・自尊感情(self-respect)
- 自分が自分をどう思うか、どう感じるかを表す感情。自身と自尊の2つの要素から成り立っている。自己肯定感よりも広い意味で用いられ、厳密には自尊感情は自尊心よりも狭い意味で用いられることが多いがほぼ同義。
- 自己有用感(self-competence)
- 自分が人の役に立っていることを表す感情。自分一人では完結せず、他者への貢献により構築される。
- 自己受容感(self-acceptance)
- 自分の能力などについて肯定も否定もせず受け止める感情。「国語のテストで70点だから良い、悪い」ではなくその事実をただ受け止める。
- 自己有能感(self-acceptance)
- 自己肯定感とほぼ同義。自分を他人と比較せず肯定することができる感情。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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