「資料が汚い」「情報量が多い」「一目でわからない」「わくわくしない」「時間かかりすぎ」「決めごとなさすぎ」「わかりにくい」「なんでその表現にしたかわからない」。
これらは筆者が新卒一年目で先輩から言われたことの内のいくつかです。
誰もがパワーポイントでの資料作成において、思ったクオリティにならない苦い経験があるのではないでしょうか?
筆者は、本書を読んでその原因がわかりました。
それは、いい資料から自分でも使えるようなノウハウを学ぶ機会が少なかったこと、資料にルールがないことの二つです。
① 徹底的に聞き手の立場に立って考える
② プレゼンの基本的な流れは、「課題→原因→解決策→効果」
③ 社外プレゼンでは、「共感→信頼→納得→決断」で感情を動かす
① 徹底的に聞き手の立場に立って考える
プレゼンの極意は、まさしく、「徹底的に聞き手の立場に立って考える」ことに尽きると思います。プレゼンの目的は、「何かを買ってもらう」ことが大きなものだと思いますが、「相手はなぜそれを使ってくれるのか、このプレゼンの聞き手にとってこの商品の意義は何か」このことを考えないまま作成した資料とそうでないものとには雲泥の差があります。細かい技術はそのあとです。
例えば、写真を使って相手の感情を引き付けよう、と考えたとします。その際、どのようなルールで写真を選ぶでしょうか?例えば、人物写真なら、聞き手に性年齢や背丈や国籍が近い写真を選ぶなど、相手が共感してくれるかどうか、を基準として考えるべきです。
② プレゼンの基本的な流れは、「課題→原因→解決策→効果」
社内であれ、社外であれ、ビジネスプレゼンはシンプルかつ論理的でなければなりません。ただ、それだけを聞くと、「シンプルかつ論理的って何?それが難しいんだけど」と思われることでしょうか?その問題は、ルールで解決できます。それが、「課題→原因→解決策→効果」という流れです。すべてのビジネスプレゼンはこの流れで作られるべきです。つまり、課題、原因、解決策、効果の4つが順番に並んでいて、それぞれが、「なぜ?」「だからどうする?」「するとどうする?」という言葉でつながっていれば、ロジカルな構成になるのです。新しく自分でロジックを作り出す必要はありません。
③ 社外プレゼンでは、「共感→信頼→納得→決断」で感情を動かす
社外プレゼンでは、「課題→原因→解決策→効果」に加え、「共感→信頼→納得→決断」という流れが必要になります。なぜなら、社外プレゼンでは聞き手の感情を動かす必要があるからです。
社内プレゼンでは、その提案が自社の利益に繋がること等、「プレゼンを聞くべき理由」が聞き手側にあります。しかし、社外プレゼンはそうではありません。だからこそ、聞き手の感情に訴える構成を考える必要があります。難しそうですが、これにもルールがあります。それが、「共感→信頼→納得→決断」という流れです。「そうそう、それで悩んでいるんだ(共感)」「この人の話は聞くに値しそうだ(信頼)」「この人の言うとおりにすれば確かに問題は解決しそうだ(納得)」「よしやってみよう(決断)」という流れで聞き手の感情を動かす資料構成にすれば、社外プレゼンは勝ちです。
本書の中では、具体的にどうやって”「課題→原因→解決策→効果」+「共感→信頼→納得→決断」=心を動かすプレゼン資料”を作るかが書かれているので、是非読んでみて下さい。(ちなみに、この○○+○○=○○というのも、”公式法”という心を動かすプレゼンの見せ方の技術です)
本記事では、社外プレゼンの考え方・姿勢についてお話しましたが、書籍の中では、「色の使い方」「フォントの選び方」「画像加工のルール」等細かい資料作成術も書かれています。この本一冊読めば、社外プレゼンの挑み方、全体構成の作り方、一枚一枚の作り方のすべてがわかります。
私も、徹底的に聞き手の立場になって考えるという基礎基本に立ち返って、資料作りに励みます。
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