思考整理、思考を伝えるのに役立つ本として、永田豊志さんの、『頭がよくなる 図解思考の技術』をご紹介させていただきます。
今回は、そもそも図解思考とは何か、という概要から、図解思考を行うメリットを説明したのちに、図解思考の方法と実際に図解思考を仕事で実践してみた感想を書かせていただきます。
1,図解思考とは?
2,図解思考のメリットは?
3,図解思考の方法・実際にやってみた
皆さんは人から話を聞いたとき、だれかに話を伝える前、どんな方法で考えを整理していますでしょうか?
よく耳にするのは、箇条書きであったり、ポイントのメモであったり、です。
箇条書き等、言葉単体での整理方法も便利なのですが、いくつか欠点があります。例えば、言葉をすべて書かないといけない、話が飛ぶと収拾がつかない、問題点がつかめない・矛盾に気づかない、などです。
言葉単体で考えを整理する方法に対して、この本で提唱しているのは、「情報を聞くときも、理解するときも、伝えるときも、常に図で考える」という方法です。
図解思考のメリットは6つあると、本書には記載されています。
①言葉を省略できる分、スピーディーに記録できる
②話が複雑でも関係性を理解しやすい
③抜け、漏れ、矛盾を発見しやすい
④記憶に定着しやすい
⑤後からアイデアを展開しやすい
⑥報告書やプレゼン資料にそのまま転用できる
全てを詳しく解説することはしませんが、本書では各メリットの具体的な説明がなされています
例えば、③抜け、漏れ、矛盾を発見しやすいという点は、図解思考ならではだと考えています。
箇条書きの整理の場合、因果関係やステークホルダー同士の関係性、時系列などの関係性を示すことは難しいため、どうしても視覚的に「あれ、これが足りないな?」という違和感を見つけにくくなります。
それに対して、図解思考では、の場合、あらかじめ話に合わせたフレームワークを描いておくことで、「因果関係がはっきりしないから追加で質問してみよう。」等の発想がしやすくなります。
図解思考のベースとなるのは、四角形と矢印です。筆者はこのくらいシンプルだからこそ完成形が誰にでも視覚的に理解できるものになる、としています。例えば、「AはBにXを提供している」ということを図解する場合、■で囲ったAから■で囲ったBに対して矢印を伸ばし、その矢印上にXと書けば完成です。
本書では、フレームワーク等を使った応用系まで記載されていますが、基本的な方法は四角形と矢印のコンビネーションです。さらに本の中では、「対立関係」「因果関係」「関係性の強さ」「未来の予定」などを表す基本的な方も紹介してくれているので、この本を読んだ後は、誰でも図解思考を実勢できる状態になります。
ということで、実際に会社の会議のメモを手書きにし、しかも『図解思考』を参考にしながらすべて図で記録するようにしてみました。やってみて実感したことは2つありました。1つが、相手と会話する際に、抜け漏れがなくなることです。図解することで、因果関係が抜けていたり、ある一定時期の情報が抜けていたりすることが直感的にわかるので、相手から情報を聞き漏らさなくなりました。2つ目は、会議後の思考タイムの充実です。これまで、会議後に物事を考える際に、もう一度聞いたことを整理して、抜け漏れを確認して、考えるべき課題を洗い出して、というプロセスを踏んでいましたが、図解することで、そのようなプロセスは会議終了と同時に終わってる形になります。だからこそ、何を考えるべきで、突破すべき課題は何かが明確になり、作業が効率化されます。
ここまで、図解思考について紹介してきましたが、実際にやってみてその効力を実感しましたし、今も取り入れています。もし、思考の整理が苦手、作業が遅い、何から考えて来意かわからない、という悩みを抱える方は、一読することをお勧めします。
また、図解思考についてもっと知りたい、という方は『ピクト図解』の内容を要約した記事も書いているのでご覧ください。
コメント
[…] その、問題を具体的にするために有益なのが、以前本ブログでも紹介した「図解思考」だと僕は考えています。 要は、問題をビジュアルで構造化していく、ということです。例えば、『図で考えればすべてまとまる』で紹介されている、「因数分解のパターン」が複雑な問題の構造化に有効でしょう。 […]
[…] 以前このブログで「図解すること」の重要性を『図解思考の技術』をご紹介するときにお話しましたが、難しい話・複雑な話は絵にするだけで100倍伝わりやすく、理解しやすくなります。僕も仕事に図解を取り入れてから、打ち合わせを理解するスピード・企画や戦略を考えるスピード・質が改善されました! […]
[…] 要約 頭がよくなる 図解思考の技術【図で考えれば会議がわかる】「人に… […]
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