【要約】『天才を殺す凡人』凡人の武器は「自分の言葉」である

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本記事では、『天才を殺す凡人』について3ポイントにまとめて解説します。

『天才を殺す凡人』からの3つの教訓
① 世の中には3種類の才能がある
② アートとサイエンスを共存させる
③ 凡人にとっての最強の武器は自分の言葉

 

① 世の中には3種類の才能がある

 世の中には①天才②秀才③凡人と3種類の才能があり、人間関係やビジネスがうまくいかないのは、才能毎に評価軸が異なるから。これが本パートの結論です。

 それぞれの才能の意味は読んで時の通りですが、それぞれの才能を持つ人で、「物事の良し悪しを判断する評価軸」が異なります。

[才能毎の評価軸]

  • 天才 世界をよくするという意味で創造的か?
  • 秀才 再現性があるか?論理的に正しいか?
  • 凡人 その人や考えに共感できるか?

 ビジネス等の場面でどうしても話がうまくいかないのは、それぞれ、何を良しとするかが違うからです。まずはこの才能と才能毎の評価軸の違いを理解することが大切、と筆者は述べています。

 

② アートとサイエンスを共存させる

 強い経営は、芸術と、科学と、モノ作りの3つが重なって初めて実現できる為、アートとサイエンスは対立構造ではなく、役割を分けてあげる必要がある。本パートの結論です。

 なぜ、アートとサイエンスを対立させてはいけないのか、というと、説明能力の差によって必ずサイエンスが勝ってしまうからです。

 新しいモノを始めようとするとき、説明が必要になります。そこで重要になってくるのが、「説明能力」です。説明能力というのは、どれくらい他人にその価値を説明できるか?ということです。

 ご想像の通り、アートの説明能力は低く、サイエンスの説明能力は高いです。だから。同じ土俵で戦わせたら、サイエンスの10戦10勝でしょう。

 ではどうすればいいのか?答えは、より重要な問いである、「その目的を達成するためにアートが果たすべき役割とサイエンスが果たすべき役割はどこなのか?」の仕分けです。一般的には、アートはあるべき姿を照らすもの(世界は、人はどうあるべきか?)、サイエンスは現状を見つめるフラスコ、と言われています。

 この概念は日常の業務において私も実感しています。それが、広告の評価を何に置くのか?という問題です。一般的にデジタル(ウェブ)広告の場合、トラッキングが可能です。つまり、広告をクリックしたか、や、広告をクリックした人が実際に商品を購入したか、というところまで可視化できる、ということです。

 そういった状況では、中々、広告クリエイティブやメディアのフォーマット等で挑戦することが難しい。なぜなら、データドリブンマーケティングによって、「最適化」されつつあるところに、挑戦を入れると、どうしても広告指標から見える数字は悪くなるためです。

 だからこそ私は、「広告表現・メディア」の評価軸を広告指標以外に設定することが必要だ、と考えています。なぜなら、本来事業にとって有益な広告領域の挑戦も、いつもよりも広告指標が低いから、という理由で淘汰されていく世界に歯止めをかけたいからです。

 その意味で、本書の中に述べられている、「反発の量」を測定の主指標とすることはありだと考えています。反発の量とは、なんとなく嫌い、とでもいえばわかりやすいでしょうか。その、反発の量(正確には広くて浅い反発の量)と、狭くて深い支持の比率により、やろうとしていること、やっていることが本物のイノベーションかわかる、と書かれています。そして、業界を覆すような破壊的なイノベーションは、浅くて広い反発と狭くて深い支持の割合が、「9:1~8:2」と言われています。

 この反発の量は、たとえばTwitterのつぶやきの文言をポジネガ判定する、等の方法が考えられるでしょう。

 

③ 凡人にとっての最強の武器は自分の言葉

 ここまで、3種類の才能の説明と才能間で評価軸が違う、という話をしてきました。最後は、凡人にフォーカスした話をします。具体的には、凡人の武器は何か?という話です。いくつか存在しますが、本書の中で最も言及されているのは、「自分の言葉」です。

 自分の言葉とは何か?赤ちゃんの想像してみてください。最初に覚える言葉は、「ママ」や「嫌」、「食べ物の名前」などでしょう。これが自分の言葉です。要は、自分がやりたいことや、本能的な気持ちが先にあり、そこにたまたま言葉というラベルが張られている、というのが「自分の言葉」なんです。

 これが、凡人が人の心を動かすときに必要です。それなのに、多くの大人が使っているのは、「他人が作った言葉」です。例えば、マーケティング、利益等です。

 そうはいっても、自分が話している言葉が「自分の言葉」か「他人が作った言葉」かを判断するのは難しいでしょう?そこで出てくる判断軸が、“小学生でも使うかどうか”です。小学生でもギリギリ使いそうであればOK、それ以外ならNGです。


 ③のパートで、凡人の武器は「自分の言葉」と書きましたが、本書では、才能毎に相性がいい武器がまとめられています。だから、まずは自分の中にどの才能がそれくらいあるかを知ること、それを知ったうえで、「自分の中の凡人・秀才の才能が、自分の中の天才の才能を殺さないよう自分が持っているカードを思いきり世に出し続けること、その上で異なる才能を理解し動かしていく、そのような話が書かれています。

 少しでも気になった方は是非読んでみてください。

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