自社のマーケティング活動がどうにも上手くいかない時ってありますよね?
そういった時にぜひ読んでいただきたいのが『マーケティング22の法則』です。
本記事では現役マーケターである筆者が、22の法則について説明していきます。
① マーケティングとは何か?
② マーケティング22の法則一覧
本書では、「マーケティングとは○○である。」といったように、随所にその定義がされていますので、それを紹介していきます。
(1)【マーケティングとは知覚をめぐる戦いであって、商品の戦いではない】
これが本書の中で最も多く出てきたマーケティングの定義です。
要は、顧客の心の中にどんな印象を植え付けることができたか、それこそがマーケティングですべきことであり、マーケティングの成果である、ということです。
上記の言葉の裏には、「客観的な現実というものは存在しない」という筆者の考えがあります
太陽も、川も、木も、都市も、広告も確かに存在していますが、僕たちは、自らの知覚を通してしかそれらを知るすべがありません。マーケティングとはそのような知覚の操作に他ならない、と筆者は考えているのです。
さらに、顧客の知覚に残るのは、パート②で記載する「梯子の法則」に従うと7つまでです。
だからこそ、僕たちは、顧客に伝えるメッセージを絞る必要があります。ただ、その時に絞り込むアイデアには一つ注意点があります。
それは、「反対意見を唱える余地がないようなアイデアに焦点を絞り込むことはできない」ということです。例えば、自分を「正直な政治家」だと位置づけることはできません。なぜなら、その位置づけ対して進んで反対の立場をとろうとする人(自分は不誠実な政治家だと述べる人)は、誰もいないからです。
また、マーケティングを顧客の心の中で行われる知覚のゲームだとすると、必要なものが一つあります。「金」です。顧客の心の中に入っていくには資金がいり、さらに一旦入り込んでも、そこにとどまるにはまた資金が必要です。
(2)【マーケティングとは多くの場合、正統性をめぐる戦いである】
最初に我こそ本物、というコンセプトをつかんだブランドが競合を偽物呼ばわりすることができます。
(3)【マーケティングとはアイデアの戦いである】
だからこそ、僕たちが成功しようと望むのであれば、独自のアイデアや属性を用意して、努力をそこに傾注する必要があります。
それがないのであれば、徹底的に価格を下げるしかありません。
(4)【マーケティングとは多くの場合、単純明確さの追求である】
顧客の中で、一度固まった印象を変えることはできない。だからこそ、
僕たちのマーケティングにおける努力は、既に顧客の心の中に定着しているアイデアやコンセプトを利用することに注がれるべきです。
下記に、本書で紹介されている、「マーケティング22の法則」を紹介します。
- 「一番手の法則」
- 他より優れていることよりも、先頭を切れる分野を創造する方が大切。
- 「カテゴリーの法則」
- あるカテゴリーで一番手になれない時は、一番手になれるカテゴリーをこしらえる(その製品のどこが新しいか)。
- 「心の法則」
- 市場に最初に参入するよりも顧客の心の中に最初に入り込む方がベター。
*市場に最初に参入することはそうすることで顧客の心に真っ先に入り込めるという限りにおいて重要であるにすぎない
- 市場に最初に参入するよりも顧客の心の中に最初に入り込む方がベター。
- 「知覚の法則」
- マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦い
- 「集中の法則」
- マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込み客の心の中にただ一つの言葉を植え付けること
- 自分の企業が一番手でない場合には、植え付ける言葉は一層焦点を絞り込んだものでなくてはならない
- 「独占の法則」
- 二つの企業が顧客の心の中に同じ言葉を植え付けることはできない
- 「梯子の法則」
- 採用すべき戦略は、梯子(顧客の心の中に何番目の入り込んだか)のどの段にいるかによって決まる
*ジョージ・A・ミラーの原則に従えば顧客の心の中の梯子は7つまで
- 採用すべき戦略は、梯子(顧客の心の中に何番目の入り込んだか)のどの段にいるかによって決まる
- 「二極分化の法則」
- 長期的に見れば、あらゆる市場は二頭の馬の競争になる
- 「対立の法則」
- No2の座を狙っているときの戦略は、No1の在り方によって違う
- No1のエッセンスを見つけ出し、顧客にそれと反対のものを提供する(差別化)
- 「分割の法則」
- 時の経過とともに、一つのカテゴリーは分割し、二つ以上のカテゴリーに分かれていく。
- 「遠近関係の法則」
- マーケティングの効果は、長い時間を経てから現れる
- 「製品ライン拡張の法則」
- ブランドの権威を拡げたいという抗しがたい圧力の存在を意識する(特に破られている法則である)
- 「犠牲の法則」*「製品ライン拡張の法則」の反対
- 成功を望むのであれば、製品ライン、ターゲット市場、たえざる変更のいずれかを犠牲にする
- 「属性の法則」
- あらゆる属性には、それとは正反対の、優れた属性がある(No1と正反対の属性を顧客に植え付ける)
*ただし、全ての属性の価値は異なる
- あらゆる属性には、それとは正反対の、優れた属性がある(No1と正反対の属性を顧客に植え付ける)
- 「正直の法則」
- ネガティブな面を認めたら、顧客はポジティブな評価を与えてくれる
- 「一撃の法則」
- ただ一つの動きが重要な結果を生む
- 「予測不能の法則」
- 自分で競合相手のプランを作成したのではない限り、あなたが将来を予測することはできない
- 未来の仮説に基づいて作られたマーケティングプランはたいてい失敗する
- ただし、未来を「予測」することと、未来に「賭ける」ことは異なる
- 「成功の法則」
- 成功はしばしば傲慢に繋がり、傲慢は失敗つながる
- 客観的にプランを作る為に、顧客の立場に立って、顧客の知覚状態を想像する
- 「失敗の法則」
- 失敗は予期することもできるし、また受け入れることもできる
- 「パブリシティーの法則」
- 実態は、マスコミに現れる姿とは逆である場合が多い
- 「成長促進の法則」
- 成功するマーケティング計画は、一時的流行現象(ファッド)の上に築かれるのではない。トレンドの上に築かれる。
- ファッジに水を差す取り組みが必要
- 「財源の法則」
- しかるべき資金がなければ、せっかくのアイデアも宝の持ち腐れになる
- 世界を動かすものは金である。まずは、金づるを探せ、マーケティングはその後でいい。
上記の原則は確かに今のマーケティングに照らし合わせても納得できるものです。
大切なことは、上記の原則をいつでも思い出せる状態にしておくことですね。
自分の作成したマーケティングプランが原則にのっとったものになっているか、注意深く確認し、アップデートしていくことはマーケターの義務だと思います。
「マーケティング」とそう聞くと、「難しそう」「考えることが多そう」そう思う方は一定数います。
確かに考えるべきことも多いし、マーケティングをしようにも、その対象市場が複雑に入り組んでいることは珍しくないです。
だからこそ、「シンプルな原則に従う」ことは有効です。なぜなら、「原則」はすべてのマーケティング活動で最も考えるべきことだからです。マーケティング活動に優先順位をつけて、考える項目を絞る、これはマーケターにとって重要なことだと僕は考えています。
また、マーケターに必要な要素についてもこちらの記事で説明しているので、ぜひ読んでみてください。
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